毒舌な彼と。【一松】

毒舌11 気遣い ページ12

一松side

いつも通りの服装をして彼女と猫カフェに向かうと、たくさんの客の視線が俺達に向いた。

貴「…。」

一松「…。」

何でコイツも黙るの?

貴「そこの席、猫いっぱいいるから!」

一松「…うん」

指定された席につくと、色も品種も様々な猫が俺の足元にやって来た。

貴「3番テーブルの方お待たせしましたー!」

貴「お会計690円になります!」

1人で会計も料理も済ませて疲れないのか。

貴「一松、何かあったらそこのボタン押して!あと、今日は特別に無料にしてあげる」

一松「…あっそ」

『ありがとう』

エスパーニャンコ置いてくれば良かった。

貴「一松ってツンデレだよね」

一松「うるさい」

しばらく話していると、会計してほしいと声が上がって彼女は走ってカウンターへ向かってしまった。

貴「会計は…580円です!ありがとうございましたー!」

一松「…A、疲れないの?」

気がつけば、疑問を口にしていた。

貴「疲れるけどやりがいはあるよ?ここ時給はいいから働きなよ」

一松「…面倒」

即答すると、彼女は眉を下げて困ったように笑った。

最後の客が帰った後、暇だから仕事を手伝った。

貴「何か手伝わせちゃってゴメンね?」

一松「別に…」

『ただ俺が好きでやってるだけ』

一松「お前…!」

エスパーニャンコが鬱陶しい。けど、前みたいにどっか行ったら困るから言わないけど。

…さっさと気づけ、鈍感な奴。

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