【ONEPIECE】二重人格の殺人鬼 (ページ1)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:8,133 hit

1 (主人公side) ページ1

気づくと私は、血の海の中央に佇んでいた。

両手に持っている刀からは血が滴り、体は返り血を浴びて赤い染みができている。

『また、やったのか。クロ。』

私の中にいるもう一人の自分、クロに静かに問いかける。

[襲いかかってきたのはアイツらだ。俺は悪くない。リサの身を守ったまでだ。]

『あの男の名を聞いた瞬間、襲いかかってきたってこと？情報は聞いたの？』

[雑魚に聞いたって口をわるはずがねぇ。あの男は、影で操るんだ。コイツらはただの操り人形。ボスの名前しか知らねぇ。]

『ボスの名を口に出した者は直ちに殺せ。そんなところか。
クロのおかげで、私は殺人鬼として有名人よ。』

[あの男への復讐を願ったのはお前だ。その為に俺は力をかしてやってるんだ。]

『…クロ、私はあなたに感謝してる。でも、復讐を遂げたらあなたを封印する。』

[わかってらぁ。俺は女の体は好きじゃねーんだ。力もねぇひ弱な体なんざ、興味ない。]

クロが私の中に現れたのは、両手に持っている刀を手に入れてからだ。

黒龍と呼ばれるこの刀は、私の家に代々伝わる家宝だった。両親を殺され、復讐を誓った夜、木箱に収めていた黒龍が光り輝き、クロが現れたのだ。

[俺の名はクロ。黒龍に纏いし龍である。リサ、復讐を成し遂げたいのだろう。どうだ、黒龍を操り、憎き人間を殺めないか。力は俺がかしてやる。復讐が終わり次第、俺の言う通りに封印しろ。]

それから私は、クロとともに両親を殺した男を探しに旅に出た。

手下共を潰してはいるものの、一向に現れない。

この旅はいつまで続くのだろうか。
復讐を遂げなければ、私は死ぬことも出来ない。クロを休ませることも出来ない。