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社会人になってから味わう機会が格段に減った「なにも考えなくていいお休み」を堪能しながらも、結局のところ頭にあったのはふにゃりとした笑顔、細身の体、あの日の堂前さんの声、そればかりだった。
堂前さんはどんな調子なのだろう、体調を崩さなければ良いけど、と文字通り余計なお世話といったことを考えながら、駅伝を見たり、バラエティ番組を見たり、で楽しい正月休みは瞬く間に過ぎていった。残すところあと1日の寂しい夕方が終わってしまおうとしていることに微かに絶望しつつ、また横になる。
見ていたバラエティが終わり、話題になったラブコメの総集編が始まったのを見て時間の経過をまざまざと実感させられた。お正月に合わせて一挙放送しているらしいそれは今日は第四話からであったが、他に見るものもないのでどうにか頭の中でストーリーを補完し見進めていく。
『(放送してるタイミングで見とけばよかったかもな、)』
話題になっただけあってそのストーリーは共感を誘うものだった。思わず我を忘れてしまうほど没頭し、つい先程まで頭から離れなかった堂前さんのことも、少しだけ忘れることができた。
気づけば物語は佳境。すれ違いを乗り越え、ついに分かりあった男女は夜の公園で再開する。
『(……ああ。)』
その、二人の男女の姿が、何故だかあの日の私たちに重なって。
「私、あなたのことが好き。」
画面の中の、流行りの女優は言う。二人はそのまま体を引き寄せ、ささやかなキスをし、笑いかけた。
『私は、』
気付きたくない、気付かない方がいい、と蓋をして見ないようにしていた気持ちが溢れ出していく。
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雨 - とっても素敵な作品で、何回も読み返してます！！これからも楽しみにしております😌😌 (2023年2月3日 3時) (
レス) @page28 id: 9fa3a51cd4 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 堂前さんとの物語更新される度に見させてもらってます。これからも楽しみにしてます😊 (2023年1月4日 23時) (レス) @page22 id: ed97066529 (このIDを非表示/違反報告)
ワカ(プロフ) - ほんと大好きな作品。いつもお疲れ様です！更新待ってます！ (2022年12月24日 14時) (レス) @page16 id: 1bc0632cd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あこ | 作成日時：2022年12月10日 0時
