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堂前今家?
Aそうですよー。
そう返信して暫く経ったあと、スマホが小刻みに揺れた。今までのとは違い、周期的にその振動は繰り返されている。
『(あ、着信……！)』
震える指を必死に操り、電話をとる。自分が望んでいたような展開の連続に胸が震えた。
『もしもし、』
「おー、いきなりごめんなあ。」
電話から流れ出す堂前さんの声は、いつもより何割か増しで暖かいような気がした。
「年末だし直接挨拶したいと思ってん。」
『……私もそう思ってたんです、一瞬電話できないか聞こうと思ってたくらいで。』
「奇遇やなあ……。お疲れ様やったなあ、今年も。」
『嬉しいです、お話できて。』
電話ができた喜びからいつもより数倍素直になっている私に、堂前さんはそうかあ、と笑いながら言った。
『お仕事終わられたんですか？』
「おう、今終わった。劇場出て駅向かってるとこ。」
『お疲れ様でした、本当に。』
「……なあ。」
『なんですか？』
堂前さんの声が少し震えているような気がして、私の周りの空気も少し揺れたような気がした。
「一瞬会えんかな、……いきなりやし、本当無理なら無理でいいんやけど。……やっぱ目見て挨拶したくなって。」
時間が止まる。
私が息を飲んだ音は堂前さんに聞かれてはいないだろうか。暖房がもたらす不自然な暖かさでうまく働かない頭を必死に回し、何度も言葉を反芻する。
『(堂前さんが、私に会いたいって、今、)』
「あー、……やっぱ無理よな、変なこと言ってすまん、気にせんといて。」
『会いましょう、私も挨拶したいです。……今からでもいいです、堂前さんがこっち着くまでに準備終わらせとくんで。』
「……！そうか、ありがとなあ。……電車、何時に着くか送っとくわ。夜遅いから気をつけるんやで。」
『ありがとうございます……。』
そろそろ駅着くからそれじゃあ、と堂前さんは電話を切った。
『……こんなことってあるんだ、』
心から溢れ出した言葉をひとつだけ呟き、私は急いで準備を始めた。
.
更新収め！皆さま今年もお疲れ様でした。来年も是非完結までお付き合いください、よろしくお願いします。
@/_xxakxx
Twitterです。お笑い全般(無限大多)ツイートする騒がしいアカウントですが何卒。Twitterの質問箱にてリクエストも募集してます、よろしくお願いします。
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雨 - とっても素敵な作品で、何回も読み返してます！！これからも楽しみにしております😌😌 (2023年2月3日 3時) (
レス) @page28 id: 9fa3a51cd4 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - 堂前さんとの物語更新される度に見させてもらってます。これからも楽しみにしてます😊 (2023年1月4日 23時) (レス) @page22 id: ed97066529 (このIDを非表示/違反報告)
ワカ(プロフ) - ほんと大好きな作品。いつもお疲れ様です！更新待ってます！ (2022年12月24日 14時) (レス) @page16 id: 1bc0632cd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あこ | 作成日時：2022年12月10日 0時
