【名探偵コナン】なんで目の前に工藤家が立派に建ってるの？《第3章》

宿里村の怪 ページ11

「おいコラ！冗談やろ！？」


服部くんが怒ったのは当然だ。

私だって怒りたいよ。

でも招待されてる身としては失礼だから抑えてるけども。



だって目の前には古びた洋館みたいな建物が建ってるから。


とてもホテルとは思えない。



「ホンマにこのボロっちィホテルに泊まれっちゅうんか！？」


「見かけは悪いですが、中はきれいに掃除しましたし…

食材もたんまり買い込みましたので…腕を縒(よ)りにかけてご馳走しますよ！」


「あんたが作るんかい！？」



両手にたくさん買い込んだらしい重そうなレジ袋を軽々と持ち上げ、笑顔で答える村長さん。

マジかよ…


「昔はあの黒金(くろがね)大池の景色を見に来る客が大勢いて…このホテルも繁盛してたんですが…

あの事故があって以来、客足がばったり途絶えてしまってね…」


「あの事故って…」


「何なん？」



不安そうに聞く蘭ちゃんたち。

「あっ、いやそれは…」


村長さんは口を紡ぐ。
きっと言いたくないんだろう。


でも、


「徳川埋蔵金発掘チームの1人が落盤事故に遭い、亡くなってしまったからじゃよ…」


村長さんの後ろから現れた強面のおじいさんが説明し始めた。


この人は確か…考古学者の丹沢道貴(たんざわ みちき)だった気が…


「この辺りは地盤が緩いからのぉ…まぁその分、何かを埋めやすいとも言えるが…」






「ねぇ、ホントにこの辺に宝物が埋まってるって話もあるの？」


「ああ…徳川家康が隠居し、亡くなった駿府(すんぷ)城があったのもこの静岡県じゃからな…」



へぇー。

徳川に関するところって東京と栃木だけだと思ってたな。

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