1話 ページ2
出会いは突然やってくる。
いつも魔法帝であるお父様の手伝いばかりして魔法騎士団にはあまり興味を持たない私はお父様から勧められて魔法騎士団の入団試験を見学した。
勧められたから見学した。ただそれだけだった。
「ハージ村出身の…ユノ…様……。」
一瞬だった。最果ての村出身の下民が貴族を倒してしまうのはほんの一瞬で…。それと同時に私の心が奪われるのも一瞬だった。
「お願いしますっ！！私を……どうか…どうか金色の夜明け団に入れて頂けませんか？！」
なんて、お願いしてみるものだなぁ…。まぁ、ウィリアム様は以前から金色の夜明けに入団しないかってお誘いしてくれてはいたけれど…
入団試験は受けてないし、急すぎる申し出だったし、これは言ってないけど動機も不純だし…。
「それなのに…本当に入れちゃった…。」
ポツリと呟いた後、部屋を見渡して胸を押さえた。
今までお父様のお手伝いばかりで、お父様から離れたことなんて一度もなかった。
でも、私はこれからは一人で金色の夜明け団の一員としてやっていかなくてはならない。
「ふぅ…外の空気でも吸いに行こうかな…。」
胸の中にある不安を少しでも和らげようと部屋から出て庭へ出た。
綺麗な花がいっぱい…。ここなら気持ちも落ち着きそう…。少しここでゆっくりしようかな。
芝生の上にゆっくり横になって目を閉じると土の匂いがして大地に包み込まれるような感覚がした。
大地や植物達が私を励ましてくれてるみたい…。これも、私が女神魔法の使い手だからなのかな。
「そこで何をしている？」
「っ？！」
ふわりと心地良い風とともに聞こえた声に飛び起きて振り返ると思わず固まった。
「ユ…ノ……様…。」
「？…なんで俺の名前を？」
はっとして乱れた髪を整えて平常心を保ちながら向き直った。
「お見苦しい姿をお見せして申し訳ありません。私はユノ様と同じく今日この団に入団したA・ノヴァクロノです。入団試験の際、ユノ様の実力にはとても驚かされました。今後、同期としてよろしくお願いしますね！」
「…あぁ。」
お父様のお仕事の関係で学んだ言葉使いに仕草、表情で完璧なはず！おかしいところは無い…はず。
「変だな。」
「え…？」
「今日の入団試験で俺は一度も貴方を見ていない。」
「あ…えっとそれは…」
魔法帝の娘だからという理由で試験は見ていただけで受けてないなんてとても言えない……。
ど、どうしようっ…！！
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ピーコ - 面白かったです！素敵な作品ありがとうございます！ (2021年1月28日 20時) (
レス) id: c0d3d7d492 (このIDを非表示/違反報告)
美香 - ユノが好きだから、凄く嬉しいです。続きがとても楽しみです (2018年10月26日 20時) (レス) id: d1150ab6e3 (このIDを非表示/違反報告)
Trignal(プロフ) - 気になるのではやく更新お願いします！ (2018年10月16日 0時) (レス) id: 59802ac315 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年10月8日 22時) (レス) id: 07f23207a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠恋 | 作成日時：2018年10月8日 21時
