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48、緊張感 ページ8

⚠短めです

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knside

心臓がバクバクと音を立てている気がする。
酷く不安で、脈すらも消えてしまいそう。

この緊張感は、どこで感じたものだったか。









……そう、だ。

仲間を失いそうになった感覚と似ている。
目の前で誰かが撃たれた時、傷だらけでも敵陣に突っ込んでいった時。

止めらない自分に、嫌気がさす感覚に似ている。
戦う前なのに、何故なのか。


答えは明白であった。


「…Aを失うのが怖いんや」
あいつは今日前線に出ない。それに、ひとりは幹部の誰かが着くことになっている。
それでも怖いのだ。万が一でも、怪我をしたら?
心臓にナイフが突き刺さったら?

嫌な想像ばかりしてても仕方が無いと、拳を強く握りしめて、武者震いを止めようとする。
それでも震えは止まらない。

「っ、はぁ、っぐ、んぅ、はぁ、おぅぇッ、」

嗚咽とも過呼吸とも言えない感覚に陥る。
しっかりしろや、なにやっとんねん。

昔の自分が、酷く虚空な瞳で嘲笑する。

耐えられなくなって、片膝をつこうとしたその時だった。

「らしくないんとちゃいますかねぇ?」
煽るような声音で、俺の方を支えてくれる。

がっしりとして、預けてもいいと思える仲間。

「なーにで悩んでるんか、杞憂してるんか知らんけど。」

ガシガシと頭を強く撫でられた。

「まずは頭ン中勝たんと勝てへんで?狂犬チワワぁ?」
…煽ってるんじゃない、鼓舞してくれてる。

お前ならやれると、信用してくれてる。

「っは、知っとるわポメラニアン。」


呼吸がちゃんと元に戻り、勝つプランが頭の中を駆け巡る。大丈夫、いつもの俺や。



「Aん為にも、頑張らなあかんな!」
ニヤリと笑うそいつに、俺はひとつ拳を打ち付け、同じようにニヤリと笑い返したのだった。

番外編 嫉妬させてみた→←47、開始の合図



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杠葉 - 初めまして、とても素敵な作品でした…!占ツクの小説で初めて泣いてしまいました。これから全力で応援させて頂きます…! (2022年1月22日 3時) (レス) @page40 id: 2d4f53e34e (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - ネイトさん» 了解です!リクエストありがとうございます!! (2020年12月29日 4時) (レス) id: 4aed07b718 (このIDを非表示/違反報告)
ネイト - 雲雀さん» なるほど!ありがとうございます!リクエストが「帰った後にみんなに説教される」みたいな感じなのってお願い出来ますか? (2020年12月29日 0時) (レス) id: 58c935ec98 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - 月宮さん» 月宮さん、コメントありがとうございます!これからも精進して行きますゆえ、続編も楽しんでいただけると幸いです! (2020年12月28日 20時) (レス) id: 4aed07b718 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 - 完結おめでとうございます!続編も楽しんで見させて頂きます!これからも頑張ってください。 (2020年12月28日 20時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雲雀 | 作成日時:2020年12月4日 2時

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