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76、俺らのお姫様 ページ40

それはそれは、あの時と同じように。

ばりんっ!と盛大な音を立てて、窓ガラスを突き破って入ってきたふたりは、ぱんぱんとゴミクズを払った後、ぽかんと立ち尽くす両親たちの手から私を抱き上げた。

「すまないな、遅れてしまって」
『だ、いじょ、』
「あーあー喋らん喋らん、出血が酷すぎるわ、」
ペ神に怒られるなコレ、と微笑むトントンに、Aはひっと、頬を引き攣らせる。


「お前らなんなんだ!!!」
「お前らこそAのなんなんだ?」
国王に強く問いただされるも、グルッペンさんが強く鋭く言い返せば、うっと口篭る国王達。

「もしや今更家族なんてお行儀のいい言葉で片付けたりしませんよねぇ?あんだけAの事追い詰めて罵倒してそれで家族ですぅなんて烏滸がましいと思わんのか??
なんや部外者が来たらそんな餓鬼みたいな言い訳通じると思っとんのか国なめとんちゃうぞ」
トントンの鋭い言葉に、更におびえた表情になるニスタ王国の人達。

「さて、今からお前らに選択肢をやろう」
グルッペンがにっこりと笑うが、その笑みは脅し以外の何物でもなかった。

「この娘を俺らにやって土下座をするか、国諸共燃やされるかだ。
どちらにしろ、Aは俺らが貰う。」
お前らに教育なんて出来んやろうしな、とグルッペンが鼻で笑った。

「土下座…なんてそんなもの…」

「ほー?よー分かったわ。」ぽい、とトントンが窓から何かをひとつの小屋に向かって投げれば、その小屋が爆発する。

「今から燃やすけど、最後に聞いたるよ、どうする?」

この2人は、欺けない。

否、欺くことが出来ないのだ。



賢い上に、巧妙で、それでいてやり口が余りにも酷。



「俺らの可愛ええお姫様傷つけたんや、並大抵のもんで済むと思うなよ」
Aの頭をふわりと撫で、グルッペンは何処かゲスめいた笑みを浮かべた。

唐突な作者より→←75、呼べよ



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杠葉 - 初めまして、とても素敵な作品でした…!占ツクの小説で初めて泣いてしまいました。これから全力で応援させて頂きます…! (2022年1月22日 3時) (レス) @page40 id: 2d4f53e34e (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - ネイトさん» 了解です!リクエストありがとうございます!! (2020年12月29日 4時) (レス) id: 4aed07b718 (このIDを非表示/違反報告)
ネイト - 雲雀さん» なるほど!ありがとうございます!リクエストが「帰った後にみんなに説教される」みたいな感じなのってお願い出来ますか? (2020年12月29日 0時) (レス) id: 58c935ec98 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - 月宮さん» 月宮さん、コメントありがとうございます!これからも精進して行きますゆえ、続編も楽しんでいただけると幸いです! (2020年12月28日 20時) (レス) id: 4aed07b718 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 - 完結おめでとうございます!続編も楽しんで見させて頂きます!これからも頑張ってください。 (2020年12月28日 20時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雲雀 | 作成日時:2020年12月4日 2時

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