58、敵討ちとは名ばかりの ページ20
Aside
走って走って、私はとにかく戦いの場まで急ぐ。
うっそうとした森の中を走り抜けているため、きっと味方にも敵にも気づかれることは無いだろう。
ちなみにインカムはオフにして、ポケットの中に突っ込んである。
きっと戻ったら怒られるんだろうけど、今気にしていても仕方ないし、私が決めた事なのだ。そら怒られる。
『ほっ、ふ、』
少し大きめの切り株に手を付き、ぴょいっと身軽に乗り越える。
結構走ったように思えるが、体力はまだまだ残っていた。
その後も20分くらい走り、ようやく戦っている場所に到着する。
あまり良くは見えないものの、ここら辺で戦っているはずだ。
そっと息を潜めてその場にしゃがむ。
すると遠くから「いけ!!!!!!!お前ら攻めろ!!!!!」と軍隊を指示する大きい声が聞こえた。
『あの声は、コネシマさん!』
音を立てないように足を静かに動かして近寄って目を凝らせば、金髪の彼が、軍隊を鼓舞し、自らも敵陣へと足を進めている。
『皆さん…すごい、』
思わず息を飲んでしまう。
団結力、行動力、全てが私の知らない我々国だったからだ。
『…私も、役に立ちたい。』
忌々しい国を倒すために、シャオロンさんの分まで。
ひとつ大きく深呼吸したあと、私は拳を握りしめ、キッと遠くを睨みつける。
『さて、行きますか、』
大好きな皆さんを、守り、支える為に。
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杠葉 - 初めまして、とても素敵な作品でした…!占ツクの小説で初めて泣いてしまいました。これから全力で応援させて頂きます…! (2022年1月22日 3時) (レス) @page40 id: 2d4f53e34e (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - ネイトさん» 了解です!リクエストありがとうございます!! (2020年12月29日 4時) (レス) id: 4aed07b718 (このIDを非表示/違反報告)
ネイト - 雲雀さん» なるほど!ありがとうございます!リクエストが「帰った後にみんなに説教される」みたいな感じなのってお願い出来ますか? (2020年12月29日 0時) (レス) id: 58c935ec98 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - 月宮さん» 月宮さん、コメントありがとうございます!これからも精進して行きますゆえ、続編も楽しんでいただけると幸いです! (2020年12月28日 20時) (レス) id: 4aed07b718 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 - 完結おめでとうございます!続編も楽しんで見させて頂きます!これからも頑張ってください。 (2020年12月28日 20時) (レス) id: a0f47df358 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雲雀 | 作成日時:2020年12月4日 2時