姉に見捨てられたら、幹部達に愛され過ぎている件について

36、楽しみ方はいろいろ ページ39

Aside

『ふいぃ…』ベットの上で思い切り伸びをして、息をひとつ吐いた。
ペ神さんに聞けば、動く事は出来るが、今日一日はここの部屋で安静にしてなきゃいけないと言う。

ここに来てはや3〜4日。皆さんと色々なとこに行き過ぎたせいなのか、じっとしてるのがつまらなくなってしまった。
私が忙しなくベットの付近をうろちょろしていれば、ペ神さんがふふっと楽しむように笑いながら、
「後で小分けであいつら来るらしいで」と教えてくれる。

…その知らせを聞いて、飛び跳ねてしまうくらいには、私はこの国が大好きになっているのである。


「A来ましたよ〜」「大丈夫っすか？」
最初に来てくれたのは、ショッピさんとチーノさん。
トランプを持ってきてくれて、一緒にババ抜きしようと誘ってくれた。
「ふふっ。また俺達の勝ちっすね。」「A弱いんじゃないの？」『あ〜！そういうこと言う！！』
既に五連敗である。しかし、連敗するにつれ、仲は良くなっているから、結果オーライだ。(と。チーノさんは言っていた。)

2人と7回ババ抜きをした。きっと2人は他のトランプ遊びもしたかったんだろうけど、私がババ抜きしかしらないからと、私に合わせてババ抜きをしてくれた。本当に優しい人達だ。
…7連敗するとは思わなかったけど。

その次は鬱さん、コネシマさん、エーミールさんが来た。
「なんやなんや！気に病んでなくて何よりやわ！」とコネシマさんが頭をガシガシと乱雑に撫でた。
鬱さんが、それを見守りながら「大丈夫？痛くない？」なんて声をかけてくれた。優しいなぁ。
慣れてるから大丈夫です！と返せば、「えっ、シッマ俺よりAちゃんに会ってるんとちゃう！？え、許せんのやけどそれ」と早口で話していた。
エーミールさんは私に、と何冊も本を貸してくれた。

「好みの本かは分からないんですけど…」と差し出してくれた本を受け取れば、その内の1冊をコネシマさんが取る。
そして、「これ、俺の好きな作者さんのやつやわ！おもしろいでぇ！」なんてお墨付きをくれた。

案外、寝たきりも楽しくなるんだな、なんて私は思わず心の中でスキップをして、コネシマさんたちと一緒にフルーツを食べた。(終始コネシマさんは「ちゃうな」って言ってた)

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