2、急すぎる救世主 ページ4
Aside
「ほんっとに貴方気に入らない目をしてるわね、死んだらどう?」
吐き捨てるように此方を罵倒するのは、実の姉であるマリル。
傷つくことも無くなった言葉を、無言で反芻すれば
「可愛くないわね!ほんと!」と私を蹴りつける。
生憎貴方よりは顔が整ってますよ、と心の中で皮肉を吐いてから、私は外を見る。
今日はなぜか傭兵が騒がしい。何かあったのだろうが、私には分からなかった。
いつものように叩き起され、満足いくまで殴られ罵倒され。
小さい頃からもはや日常のひとつになったそれは、私に感情というものを忘れさせるには十分だった。
小さい頃こそ泣き叫び嫌がったものの、今では反抗もせず耐えるだけ。それに味をしめた姉は、どんどんと暴行をエスカレートさせた。
最近では姉の彼氏も乗っかって私を殴るようになっている。
親が止めないから、尚更酷くなるのだ。
親がとめたり、口を出したりすればどうにかなるものを、親は実の姉が何よりも大事なので私が暴行を受けようとも何も関係がないのだ。
令嬢とはなんなのだろうか。
そして、幸せとはなんなのだろうか。
こんな暴力慣れたはずなのに、罵倒にも心が痛くなることなど、もう無くなったはずなのに。
どうして、来ない助けを待ってしまうのだろう。
(誰か私を救って)
そう心の中で叫んだ時だった。
バリンッッッ!!!!!!
ド派手な音を立てて窓ガラスが割れ、人が2人なだれこんでくる。
あまりにも非現実すぎるその光景に、私も、私の姉とその彼氏も呆気にとられる。
入ってきたのは、金髪で綺麗な赤い目をした男性と、マフラーの男性だ。
外からは「我々国のやつが侵入してきたー!!!」と言う声。この人たち、敵国の人か。
「単刀直入に貴様に問おう、実の妹か、その隣にいる薄っぺらい男、どちらかを人質に取らせろ。」
金髪をした彼が、楽しそうにそう言葉を発した。
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雲雀(プロフ) - わらび餅ィさん» なんとも嬉しい言葉…!これからも頑張ります!! (2020年11月28日 18時) (レス) id: 4aed07b718 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅ィ(プロフ) - 雲雀さん» こう言う系あまり読まないからどうだろうとか思ってた自分を殴りたいくらい面白いので頑張ってください! (2020年11月28日 14時) (レス) id: a2949d225d (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - わらび餅ィさん» わらび餅さん、返信遅れてしまい申し訳ございません!はわ〜!!ありがとうございます!!これからもどうぞよろしくお願いします!!面白いお話を皆さんに届けられるよう頑張ります!! (2020年11月28日 14時) (レス) id: 4aed07b718 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅ィ(プロフ) - こんばんは!物語面白いからいつも読ませて貰ってます!ランキング1位おめでとう御座います! (2020年11月25日 18時) (レス) id: 41f911fbc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雲雀 | 作成日時:2020年11月21日 1時