《ci》子供は狡さを馴染ませる ※ ページ8
「Aさん！こんにちは〜！また来ちゃいましたっ！」
『…チーノくん、暇だよね。』
チーノくん。
彼は、私の親友の弟さんである。
出会ったのは1週間前。一人暮らしの私は友達の家に遊びに行っていた。
そしたらそこに居たのがチーノくんである。
…まあ、弟なのでそりゃいるのが当たり前だが。
その時話した事が、私たちの初めてだったのだが、妙に懐かれてしまい、彼は毎日私の家に来るようになった。
私としても、弟ができた感じで嬉しいが、1週間毎日来られるとなると、友人関係で支障を来すのでは？と心配になる。
『お友達とか平気なの？』「全然大丈夫っすよ〜！皆バイトとかなんで！」
最近の高校生はバイトとデートで明け暮れてるんすよ、なんてニヤつく彼。ふむ、そういうものなのか。
『チーノくんは彼女居ないの？』
なんて聞けば、「俺に出来ると思います？」なんておちゃらける彼。イケメンだしあざといし出来ると思うけどなぁ…。
『あっ！そうだ、美味しいクッキーがあるの！少し取ってくるね』「全然お構いなく！」
ニッコリと笑う彼は、やはり何処か大人びていて、あまりにも偽りすぎているように感じる。
クッキーをとって戻れば、彼は美味しそうに紅茶を啜っていた。私の姿を見るなりぱぁっ！と顔を輝かせる。
「おかえりなさい！クッキーってどれですか！？」『ふふ、皿に出すからちょっと待ってね？』
皿に移したクッキーを嬉しそうに頬張るチーノくん。
やはり彼は可愛らしい、年下というのも相まって。
そんな彼を見つつ、紅茶を啜ったその時だった。
私に襲いかかるのは、猛烈な眠気。
突然すぎるその眠気に耐えきれず、ソファにそのままたおれ込めば、チーノくんが私に被さるように倒れ込んでくる。
「んはぁ、やっとやぁ…一目見た時からずぅっ、と好きやったんですよ」
彼がピラピラと揺らす袋は、先程まで睡眠薬が入っていた袋だろう。
『ち、ーの、くん？』
私が彼に伸ばした手を、彼はうっとりとした顔で絡めとる。
「愛しいわァ…人畜無害の後輩だと思って接してた無能で滑稽な先輩が、本当に本当に愛しいですよぉ…」
なんだ、よく見たらわかるじゃないか。
彼が狂っていることくらい。
《shp》せいぎのろりこんさん ※→←《tn》従順なる御犬様 ※
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雲雀(プロフ) - とるかさん» とるかさん、コメントありがとうございます！毎日更新とはいかないものですが、2日に1回更新出来るよう頑張ります！嬉しいお言葉ありがとうございます！！ (2020年12月25日 22時) (
レス) id: 4aed07b718 (このIDを非表示/違反報告)
とるか(プロフ) - うぁぁぁ…めっちゃドキドキしましたっ！毎回更新楽しみに待ってます。本当に大好きです！応援してます！！ (2020年12月25日 22時) (レス) id: 6d2bc3d274 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雲雀 | 作成日時：2020年12月11日 4時
