【2434】天使さん家の女の子2【kne】

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3月14日、俗に言うホワイトデーというやつで。私はワクワクしていた。
久しぶりとまでは言わないが、ウインターライブやらなんやらでしばらく会えていなかった葛葉さんが家に来るのだ
多分、叶さんの会うついでなんだろうけどそれでも十分嬉しかった

ピーンポーン
インターフォンが鳴ってすぐ出ようとすると、叶さんに僕がでるからいいよ、と止められてしまった
せっかくだから御出迎えしたかったののになぁ、、

耳をそばだてる。ドアが開く音、いらっしゃいという言葉、待ち望んでいた声、そして一番近くのドアが開いて葛葉さんがリビングに顔を出す

「よ、元気だったかー？」

「元気でした！うわ〜来てくれてありがとうございます！」

そばに寄ると、来てやったぞ〜なんて髪をガシガシと掻き乱される
あぁ！今日はちゃんとセットしたのに！
そんな怒りは、葛葉さんの笑顔で消えていった


「これもありがとな」

バレンタインのお返しであろう小さな紙袋を渡されて中を覗く
外側はただの紙袋だったので分からなかったが、中身を見て目を見開いた

「え、ぇ、え！？」

「何がいいのか分かんねえから一応聞いたんだけどどう…？」

「すっごく嬉しいです…！！むしろこんなに高価のもの頂いちゃっていいんですか！？」

貰ったDiorの香水を取り出してみる。腕を動かす度ピンク色の液がユラユラと揺れた。
一番よく見るデザインのそれは、ずっと気になっていたものだった。でも高校生にデパコスは早い気がして買えていなかったのでこうして手に入れられたことへの幸福感に浸る。

「いや返されても俺使わねぇし…」

「ですよねwwありがとうございます！」

これは葛葉さんと会う時の為にとっておこう
香水の瓶を再度紙袋にしまった


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