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side 桃
神ちゃんは、
たぶん異常。
「……ごめん、小瀧、あのさ、」
「ん？」
「これからは、その……小瀧に触ったりとかができひんくなったんやけど、嫌いになったとかそんなわけやないから」
「え？
……え？いや、何言ってるん？」
立ち位置的に俺たちは隣に並ぶことが多いから、自然にスキンシップも増える。
しげ自体元々人にベタベタ触ることも多い人やから、俺はよく肩を組まれたりするわけで。
「神ちゃんに、ダメって言われて……怒られてん、」
「え、いや、何言うてるん？
メンバーに触るのも嫉妬とかの対象ってこと、？」
「うん……」
2人の恋愛に口出すつもりなんてなかった。
なかった、はずなのに。
「そんなの、そんなのおかしいって！！」
「しーげ、なぁにのんちゃんと2人で仲良く喋ってるん？」
背中から聞こえた声にゾッとした。
いつのまにか後ろに立っていた神ちゃんは、
笑ってるのに、穏やかなのに。
なんで、なんで____？
俺にそんなに冷たい目を向けるんや？
立ち尽くす俺の脇を通って、しげは神ちゃんの元に慌てて駆け寄った。
「神ちゃん、いや、これは、」
「ふふ、大毅、俺以外の人間と喋って気を引こうとしたん？
そんなにお仕置きされたいんやぁ？」
「ちゃう、ちゃうの……そんなつもりなかってん、」
「昨日、いーーーっぱい言い聞かせたよなぁ？
大毅の心にも、体にも」
「かみちゃ、ごめんなさ、」
ぽろぽろと泣き出すしげを見て満足そうに笑った神ちゃんはスマホを取り出して画面をタップした。
『いやっ、いややぁ……！！
ごめんなさっ、ごめんなさいぃ、んぁあッ！
かみちゃ、……おれが好きなの、ともっ、ともだけやからぁ！！』
「……」
スマホから流れてくる肌を叩く音、水音、何かの機械の振動音、ジャラジャラと鳴る鎖のような音、
そして、泣き叫んでるはずなのに、どこか嬉しそうなしげの声。
俺は何の言葉も発することができずに、頬を紅潮させて興奮したような様子の神ちゃんを見つめた。
「昨日は意識飛ぶまでやらへんかったからなぁ。
お仕置きがぬるかったわ。
ごめんなぁ、大毅？
今日はこの音声を流し続けてるヘッドホンつけて、目隠しもしてみよっか？
大毅すぐ限界迎えて頭バカになっちゃうから、いかれへんように根本も縛ってあげるな？」
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作者名：おひつじ座 | 作成日時：2022年12月25日 1時
