終わりから始まる恋の話

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「やっと終わったー」




現在時刻、22時半。
今日の仕事は松村の手伝いもあり、全て終える事が出来た。



「なんか結局ほとんど松村に手伝って貰っちゃって申し訳ない」


「いいよ別に、呑み会断る理由が見つかったし」




「この缶コーヒー飲める？こんなものでお礼といっちゃなんだけど...」

自動販売機で会社を出る前に急いで買ってきた缶コーヒーを彼に渡す。



「ああ、サンキュ」




何だかんだでやっぱり松村は良い奴ではあると思う。

うん、良い奴なんだろうけど感情が全く読めない。




何を考えているのかイマイチ分からないのよね。

プライベートはどんな感じなんだろう？



ちょっと気になるけど聞いたら何か気に障ることもあるかもしれないからやめておこう。








「あれ、松村も電車だったっけ？」

「そうだけど」

「なんだ、てっきり車かと思ってた」



ま、それを知ったところでなんだって話だけど。





松村と同じ時間に帰るという事を今までに一度も経験したことがないから少しだけ緊張してしまう。







べつに何かあるってワケでもないのに。

こんな風に一々何かあるんじゃないかと期待してしまうのは昔からの私の悪い癖の1つでもある。









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