終わりから始まる恋の話

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「Aさん、これ何ページくらい必要ですか？」

「んー取り敢えず5ページ以上は欲しいかも」

「了解っす」


結局、後輩の森本くんを頼ってしまっている私。

だって松村は営業とかで忙しそうだし、
以前の事もあったし何となく頼るにも頼れない。






「森本くん。本当に助かる、ありがとうね」

森本くんのデスクの方を向きながら話しかけると「全然、気にしないで下さい」と言われる。



ああ、なんて優しい。

先輩は森本くんのその優しさに涙が出そうだよ。



できる後輩を持つとこういう時に助かるよね。





私も何か役に立てるような人間になりたいんだけどな。

そう上手くは中々いかないみたい。









「佐藤、ちょっと来て貰える？」

「はい、部長！」

部長に名前を呼ばれ直ぐさま席を立ち上がる。






「どうかしました？」

何やらいつにも増して深刻そうな顔をしている部長。

絶対何かあったんだろう。




「実は新入社員の子がいきなり辞めちゃってさあ、このプロジェクトの資料をまとめる人がいなくなっちゃったんだよねぇ。その発表が1ヶ月後だからそれまでに資料作成お願いしたいんだけど佐藤頼めるか？」


え...いつの間にうちの新入社員がやめてたの？！
全くそんなの聞いてない。

近々うちの会社で何かのプロジェクトがある事は薄ら聞いてたけど。


けど私今それどころじゃ無いんだけどな....。





でも断るにも断れないし。




「分かりました。1ヶ月以内ですよね！」


あー、私のバカ。

何を呑気に自分の仕事じゃないのに引き受けてしまってるんだろう。


森本くんに自分の仕事を手伝ってもらっておいて
新しい仕事も引き受けてしまうなんてバカにも程がある。







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