47.買い出し ページ47
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年末近くなり仕事は休みに入る。
他のみんなも仕事が休暇中で家に居る時間がいつもより多かった。
明日は大晦日。
早いな…
1年ってあっという間にすぎる。
20歳を超えたあたりからよりそう思うようになってきた。
過去を振り返ると、確実に学生時代の方が若さもあったし、そりゃ生き生きしていたと思うけど何だかんだで今の生活は楽しかったりする。
「Aー、買い出し一緒に行かない？」
「え、買い出しですか？」
さっきまで�眞呂気鵑肇�ッチンの方にいた田中さんがリビングにやって来てはテレビを見ていた私にそう話しかける。
「そう、明日作る蕎麦が足りないから近くのスーパーに買い物行くんだけど1人じゃ寂しいからAも来てよ」
「えと....はい、私で良ければ」
「樹！Aちゃんだけじゃなくて俺と慎太郎も居るんだから俺達も誘えよー」
そうジェシーくんが田中さんを見てブツブツと文句を言い始める。
たしかに…。
ジェシーくんと慎ちゃんも私と一緒にテレビを見ていたからこの2人も誘えば良かったのに。
と思ったけど田中さんの事だから誘った人に意味なんてないんだろうと軽く受け流すことしておく。
タイミングが良かったのか悪いのか、
慎ちゃんはトイレに行っているから今は不在。
ジェシーくんの方を見るとやっぱり納得いっていない顔をしていたから何だか申し訳ない気持ちになる。
でも田中さんとは以前より大分話す関係になっているとは思う。
別に彼から色々と打ち解けて話してくれたっていうわけでもないし男友達…とも違う気がするけど。
「あー、樹だけずるい！俺も買い出しAちゃんと一緒に行きたい！！」
トイレから帰ってきた慎ちゃんがリビングに戻り、状況を理解したのか田中さんに向けてそう話しだした。
「ダメ。慎太郎は掃除があるから」
「えーなんでよ、掃除しなくても俺の部屋は�眞呂�片付けてくれたから綺麗だし！」
「お前の今からする掃除場所はリビングだからな」
机の上は綺麗にしとけよ！と田中さんが慎ちゃんをシッシッと手であしらう。
なんか本当の兄弟みたい。
微笑ましい2人のやり取りを見ていると、
そんな私の視線に気付いた田中さんがこっちを見て「ごめん、行くか」と困った様に呟いた。
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作者名：つくね
| 作成日時：2021年5月26日 15時
