40.天使の王子様。 ページ40
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えっもう終わり？！
早くない？
いや、早すぎた。
だって、もう映画のエンディング曲が流れてる。
京本さんのオススメの映画は思っていた以上に
私好みのストーリーでいつの間にか見入ってしまってた。
最初の方なんかは京本さんとの距離の近さに
ドキドキして映画に集中なんて出来るわけない！とか思っていたはずなのにあっという間に時間は過ぎていたみたい。
「あの…この映画、すっごく面白かったです！」
映画の感想を今すぐに伝えたくてそのあともベラベラ続けて話してしまってた。
でもそんな私に呆れる様子もなくうんうん、って相槌を打ってくれて私の感想を聞いてくれる彼。
「ふふ、気に入ってくれたみたいで良かった。
また今度俺のオススメ一緒に見ようよ」
「はい、是非！また見たいです」
「Aとは趣味が合いそうで嬉しいな」
ふわっと笑って私の頭をポンポンっと優しく撫でてくる京本さん。
なんだ。
今のはズルい。
こういうとこだよね。
彼のズルいポイント。
自然と女の子の心を鷲掴みにさせてしまう天使の王子様って感じ。
京本さんは私が学生の頃から好きだった少女漫画の男の子に似てる。
主人公が好きになる王道の俺様ドSキャラじゃなくて王子様みたいな優しい男の子。
現実でも漫画に影響されてしまってか王子様のようなふんわりとした雰囲気のある男の人を好きになる傾向があった。
だって優しいふんわりとした雰囲気の男性って
魅力的でしかないでしょ。
京本さんは漫画からそのまま飛び出してきた王子様そのもので私は彼の魅力にハマりつつあるのかもしれない。
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「じゃ、俺は部屋戻るねー」
「了解です」
京本さんは可愛くヒラヒラと手を振って階段を上っていく。
了解です、なんて堅苦しかったかも。
ここでもっと可愛く言い返せたらなー私…
と思ったけど言ってしまったものは仕方がないか。
取り敢えず…片付けしなきゃ。
目の前の机に置かれていたグラスを持ってキッチンへ向かった。
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作者名：つくね
| 作成日時：2021年5月26日 15時
