大男6人とのシェアハウス (ページ31)

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31.彼の過去ページ31

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「さっき浮気されたって言ったけどさ、」

私と同じ種類の肉まんを食べ終えると遠くの方を眺めながら過去を思い出すように話しだす松村さん。

「あ…、言いましたね」

「その浮気相手ね、俺の親友」

「え、どういうこと」

「だから、親友に彼女を取られたっていうよくあるオチ。」

あはは、ドラマみたいでやばいでしょって松村さんは笑ってるけど私は全然笑えなかった。

聞いてはいけないようなことを聞いてしまったと
後悔したのと共に胸が痛くなった。

「でも本当は大丈夫じゃないんですよね、松村さん的には」

「当たり前のことを言うなよ。
そんなのキツかったにきまってるだろ、
アイツは幼なじみでもあり唯一の俺の親友だったからな」

「幼なじみで親友……？」

「そう、俺は親友だと思ってた」

「……。」

「ま、でもそいつは俺の彼女だったていうことは知らない」

「えっ...それって」

「だから平和に今も交際してるんじゃねーの？」

きっぱりと言いきったけど顔はやっぱり苦しそう。
相当好きだったんだなって痛いほど伝わる。

そんなに好きな人を親友に取られる気持ちってどんなに辛いんだろう。

もし自分がその立場だったら耐えきれない。

しかも付き合っていた期間も長いってことは
相当ダメージも大きいはず。

私はここでも何も言うことができず、
ただ松村さんの話を隣で聞くことしか出来なかった。

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