26.優雅な朝 ページ26
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今日は天気も良いし折角早起きしたから、
健康の為にウォーキングでも行ってこようかなーと思い、軽く身支度を軽く済ませリビングへ向かった。
ん？
コーヒーの香りがする。
その香りに誘導させられるかのようにそのままキッチンの方へ行ってみると松村さんがコーヒーをマグカップに注いでいた。
「おはようございます、松村さん朝早いですね」
「いや、さっき会ったばっかだろ」
「そうですけど。挨拶はまだだったので一応ですよ、それコーヒーですか？」
「ああ、お前も飲む？」
と聞いてきたから遠慮なく「はい、お願いします」と応える。
「ミルクと砂糖は？」
「えと、ブラックで大丈夫です」
ふーん、
私の分まで入れてくれるんだ。
正直、松村さんって本当によくわからないんだよね。
高地さんは謎な人が田中さんだって言ってたけど
私的に誰が1番謎かと聞かれたら松村さんと答えるかもしれない。
「……。」
「あっ、ありがとうございます」
コーヒーが入ったマグカップを松村さんは私に無言で渡してくれる。
そしてソファの端っこの席がお気に入りなのかそこに座ってはすぐに本を開いた。
彼のいれてくれたコーヒーをさっそく飲んでみると丁度良い苦味がじわっと口の中で広がっていく。
えっ...、なにこれ！
自分で作ったコーヒーよりこのコーヒーの方が何十倍も美味しい気がするんだけど。
これは毎日頼みたい。
おいしすぎる。
なんて感動しながら再びチラッと松村さんの方を見ると片手にコーヒーもう片方の手には本を持ち、ソファに深く座って朝を満喫している様子。
いやいや優雅な朝すぎない？ドラマの世界か！
ってツッコミを入れたくなるくらい様になってるから思わず笑ってしまう。
「ぷっ」
「...なんだよ」
私が急に笑いだしたからか不快そうに眉間にシワを寄せて私を見る松村さん。
「いや、とっても優雅な朝だなと思いましてね」
「ちょっとイジッてんだろお前」
「はい、ちょっとだけ。」
だって本当に絵になりすぎてて
逆に面白いっていうか。
「もうアンタにコーヒーなんて絶対入れてやらねー」
「ええ！そんな....」
フンって顔を背けては拗ねた顔をしてる。
思ったより松村さんは子供っぽいようだ。
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作者名：つくね
| 作成日時：2021年5月26日 15時
