続・第39話 by双子 ページ43
「はいこれ」
「なにそれ?」
ナガンが出した手の上にごく一般的な大きさのチューイングキャンディーを置いた。
即効性の滋養剤兼即効性の痛み止め兼即効性のビタミンEをそれっぽい味にしたもの___要は、薬を飲みたがらないナガンの為の薬、いわば「おいしいくすり」である。なお、ビタミンEが配合されているのは血液の流れを良くして疲労物質を溜めさせないためだ。
「長時間戦ってるから、甘いもの食べたほうが良いと思って」
「わ!ありがと、頂きます!...あー生き返る感じする!」
「なら良かった」
幸せそうにチューイングキャンディ(仮)を味わうナガンを見て微笑ましくなりつつ、さっさとそれを飲み込んだ彼女の目はもう光っていた。
「じゃあ...行くよ」
「ん」
ほぼ同時に走り出し、隊長と同じルートで通信所へ飛んだ、十数分ぶりの空中紀行である。
約数秒の空中紀行を終え、割れた窓から突入する。隊長が途中まで一人で戦い続けたのか、血痕は一方通行であった。その方向に進んでいけばいいだけ。一気に2人で走る。ナガンは完全に構えの態勢で走っていた。
うーんかっこいい。
曲がり角に差し掛かる時、銃声が聞こえた。ここだ。ここに違いない。
ナガンを見ると、目が合う。...さすが相棒、同じことを考えてらっしゃる。
曲がり角ギリギリで2人で並んで壁に背中を預ける。
笑い声が、聞こえた。
総統と、隊長の。
...これはどうやら大丈夫そうだ。...なんて思った次の瞬間。笑い声が、隊長の笑い声が止まった。床を、靴が滑る音と引き換えに。
___反射的に、体が動いた。
...人を殺すことはできても、仲間が死ぬところは、見たくない。なんて、我儘だろうか。
隊長に被さるように刃を突き立てようとしていたその兵士に、フランベルジュを縦向きに当てた。東洋の島国で言うところの、唐竹斬りである。
「ラ、ファエル...」
「隊長口開けて」
「え?あー...」
その中にナガン用のあの薬を投げ込んだ。
「おいラファエル、何だよこれ...!」
「あー...ぷっ○ょ」
「なんだそれ」
「レオンさんのアジア旅行のお土産」
あながち間違ってはいない。参考にしたのは、レオンさんのアジア旅行のお土産「ぷ○ちょ」である。
とまあ妙な言い訳を心の中でしながら背中に差した日本刀を隊長に渡す。
「おま、これ...」
「本部から持ってきた」
「え、」
「いいから」
「...ありがと」
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らなこな(プロフ) - 教えてくださりありがとうございます!一応続編できました!リンク載せときますね (2019年10月14日 15時) (レス) id: f463428b23 (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - らなこなさん» 確か、50です。 (2019年10月14日 15時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
らなこな(プロフ) - 紫龍さん» 一個の作品に何個話が詰めれるんだっけ? (2019年10月14日 15時) (レス) id: f463428b23 (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - 更新しました!続編作った方が良いかと思ったんですが、時間が無くて無理なんで作ってません。すみません… (2019年10月14日 15時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
時空のラテ(プロフ) - 紫龍さん» 私の所は台風ヤバかったけど平和ですー (2019年10月14日 14時) (レス) id: 12bfae36c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サンレーム国幹部一同 x他4人 | 作者ホームページ:無い。
作成日時:2019年8月19日 9時