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第39話 by双子 ページ42

『ウィル、行くよ』

 傷だらけのはずの我らが隊長は傷だらけの我らが総統と共にはたまた別の建物__先ほど入り口から正面突破した際に見たマップによると通信所であろう__に突っ込んでいった。
...即効性の滋養の薬でも渡しておくべきだったかな。
 そんなことを考えていると、血液に触れていないおかげで元気な私、ラファエル・イヴ・アルベルトのインカムは隊長の声を綺麗に伝えてくれたのである。

「隊長飛んでいったね、ここ結構高いよね、大丈夫かな?」
「窓から通信所?そんな高くないし大丈夫」
「そうだこの人ヘリコプターから命綱無しで飛び降りて背中でガラス割った人だった」

なんていう軽口を叩きながらシーナ情報管理局副情報長の左腕の包帯を巻いていると、上からヘリコプターの音がした。

「ラフ、来たよ!」
「うん、こっちも終わった。ヘリ誘導お願い」
「了解!」

ナガンが外に出て行くのを横目で確認しながらシーナ情報管理局...長いな。シーナでいいや。改、シーナを横抱きする。幸い、彼女は骨折をしておらず強打撲と大量出血、捻挫だけで済んだので先に安全圏である本国へヘリで運んでもらうことにしたのだ。
と、同時に本国からとあるものをいくつか持ってきてもらった。だからヘリの音がしたのである。

「着陸!」

ナガンのよく通る声を耳に外へ出て、そのままヘリに飛び込み彼女を寝かせる。

「安静にさせてあげて下さい。出血量が多いので輸血も忘れずに。意識はないので本国へ到着したらすぐにレオンさんのところへお願いします。バイタルは安定しています」
「了解です。言われたものはそちらに」

 隊員の一人と医療隊員の一人、計2人が指さした方には、私が頼んだものが布製のバッグにまとめて入れられていた。持ち運びやすさまで考えてくれるとは、部下思いの上司である。

「ありがとうございます。では、お願いします」

言いながらバッグを掴んでヘリを降り、ナガンが離陸誘導をしてくれている間に、また敵軍本部へ戻る。バッグの中に入っているのは大量の弾薬と、隊長が今日は連れて行かなかった方の日本刀一口、総統が愛用する手甲鉤、ナガンのサブマシンガン。

「ラフ、サブマシンガンある?」
「あったよ、そこ」
「お、見っけ。よし、行こうラフ!」
「ん...あ、ちょっと待って」

日本刀なり手甲鉤なり大量の弾薬なりを腰のベルトに左手で下げながら、右手をマウンテンパーカーのポケットに突っ込む。

続・第39話 by双子→←第38話 byクロ



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らなこな(プロフ) - 教えてくださりありがとうございます!一応続編できました!リンク載せときますね (2019年10月14日 15時) (レス) id: f463428b23 (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - らなこなさん» 確か、50です。 (2019年10月14日 15時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
らなこな(プロフ) - 紫龍さん» 一個の作品に何個話が詰めれるんだっけ? (2019年10月14日 15時) (レス) id: f463428b23 (このIDを非表示/違反報告)
紫龍 - 更新しました!続編作った方が良いかと思ったんですが、時間が無くて無理なんで作ってません。すみません… (2019年10月14日 15時) (レス) id: ed1de518a2 (このIDを非表示/違反報告)
時空のラテ(プロフ) - 紫龍さん» 私の所は台風ヤバかったけど平和ですー (2019年10月14日 14時) (レス) id: 12bfae36c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サンレーム国幹部一同 x他4人 | 作者ホームページ:無い。  
作成日時:2019年8月19日 9時

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