【続編！】 とある軍の幹部事情！

第71話　byラファエル ページ30

「ナガン...？なぁ！嘘だと言ってくれよ！おい！ナガン！ナガン！」

　灰色の空気を纏う地下牢によく響く、統率に長けるその声が彼女の鼓膜を揺らした。
ラファエル・イヴ・アルベルト＿＿＿ナガンレア・バニッシュの相棒である。
　フランベルジュにガンブレードの標準装備で薄暗い地下牢をまっすぐ走る彼女の瞳が捉えたのは、見知らぬ10歳前後の少年、目を大きく開いて立ち竦む我らが総統と、もう一人。
ウィルの目線の先＿＿＿相棒(ナガン)。

　少年は敵。
そう判断したラファエルはガンブレードを腰から抜き、間髪入れず少年に向けて撃った。...はずだった。
銃声が狭い地下牢に響き反響すると共に、ラファエルの動きが止まる。戦闘能力の高さに定評のある彼女ならば、ガンブレードを撃ち動きを止める、なんてことはしないはずであるのにも関わらず。

「ラフ...！」
「お姉ちゃん、殺っちゃってよ、その女の子。」

僅かに震えるウィルの声をかき消すように、少年の声は響き渡った。

「うん、任せてよ...モシン。」

　ナガンの黒いサブマシンガンは、ラファエルの北欧育ちなお陰で白いその額に、充てがわれていた。

銃声は、再び響く。

第72話　by相棒...？→←第70話　byウィル

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す