第67話 byレイブン ページ26
前方に門を確認。本来ならば居てしかるべき門番がいない。その代わりに、先程まで亡骸がありました、と言わんばかりの血溜まりが目に付いた。
「やはり皆様突入済みですか……。お役に立てると良いのですがね」
『そう悲観するものでは無いよ、レイブン。地下に不思議な反応が見えないかい? 見落としましたとは言わせないよ?』
そうやって父は気楽そうに話すが、内心慌てているに違いない。眼球の機能を変更、サーモグラフィー化完了。生体反応を複数確認。
「生体反応の照合終了、ナガンレア・バニッシュ隊員です。あれは……拘束されているのか? 父上、救出に向かいます」
『ああ、好きにしたまえ。そろそろこちらの《目》も限界だ、切るよ』
プッ、という音とともに《目》のコネクトが切れる。門番のいない門ほど、通りやすい物は無いな、なんて考えながら、地下室へ急いだ。
ほとんどの敵国民は、別の戦闘区域に出払っているらしい。特に敵に遭遇することも無く、反応があった地下室前まで辿り着くことが出来た。
ナガンレア隊員の反応は健在。気になるのはもう一つの生体反応だ。大きさからして、恐らくまだ少年だろう。なぜ少年がここに?敵なのか、捕虜なのかも怪しい。
情報の少なさに判断しかね、そっと聞き耳を立てていると、聞き捨てならない声が聞こえた。
「君をサイボーグにしちゃって無理矢理軍に編成するんだ」
『体が勝手に動く』とはこのことを言うのだろう。気づけばドアを粉砕し、室内に突入していた。これでは行き当たりばったりの父のことを叱れない。
目を丸くしている少年に、軽く自己紹介だけ済ませておく。いや、自己紹介と言うのかどうかは知らないが、少なくとも、父が聞いたら抱腹絶倒だ。
いや、涙を流すかもしれない。今思い返せば、なぜあれだけ初対面の人間を罵れたのかわからないほどなのだから。
「はじめまして、サイボーグをご所望とのことで参りました。手本を見せて差し上げます。発明を舐めるなよ、餓鬼」
だが、多少の暴言は許して欲しい。仲間をさらった敵国であることがわかったし、なによりも。
父を、父の発明を、汚された気がしたのだから。
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Noel*26(プロフ) - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/a1de7a53d2/ 作りました( ^ω^)初めてだったから不備があったら許してください。注射一回だけ免除にするんで。() (2020年1月10日 22時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
らなこな(プロフ) - Noel*26さん» いいよ〜 (2020年1月10日 21時) (レス) id: f463428b23 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - 続々編作っていいすか...story3がいいなあ (2020年1月10日 21時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しました。((良い子の皆様はインフルエンザに気を付けて下さいね〜、マジで辛いw (2020年1月9日 22時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しまーす。 (2020年1月7日 23時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンレーム国幹部一同 x他5人 | 作者ホームページ:無い。
作成日時:2019年10月14日 15時