第46話 byレイブン ページ2
「……あれ」
気づけば手には水性ペン。何故自分はこんな物を持っているのだろうか。と、外から聞き覚えのある叫び声が聞こえた。
「この声は……クロ様？ まさかこれはクロ様が？」
彼女のことだ。落書きをしようとした可能性もありえる。いや、そうなれば自分が気づけるか？
となるとこれは、自分が気づかぬうちに手に取っていたことになる。
「まさか私が落書きを？ 昏睡状態の父に？」
有り得ない。有り得てはいけない。だがこの気持ちはなんだ？『水性なら後で落ちることない？』みたいな悪魔の囁きが聞こえる！
「……父上が悪いのです。笑っていたと思えば眠り、こうして目覚めないなんて。そうです、父上が悪いのです！」
決心して蓋を咥え、蓋を外す。こんなことすら出来ない自分の片腕に、多少違和感を覚えた。
……どこに描こうか。何を描こうか。
「そうだ、ブラックジョークとやらを試してみましょうか」
左目の辺りにぐるぐる巻かれた包帯の上に、目のイラストを描いてみた。
画力向上の必要性を感じた。
ほどなくして、レイブンは研究室へと向かっていた。アルベルトの定期検診の時間となり、病室を追い出されたのだ。
「この手のままでは不都合です。早急にスペアを取り付けねば……」
父は自分の全てのパーツにスペアを用意してあると言っていた。取り付けることくらいなら自分で出来る。
また左腕が生えると思うと、少し寂しさを感じた。自分は、いつまでたってもロボットらしい。
研究室に入り、スペアを探す。見つけるのに時間はかからなかった。『レイブンの左腕』と書かれた箱を開ける。
一瞬この目を疑った。メンテナンスが必要かとさえ思った。
そこにあったのは、あまりにも機械じみた腕。『私は機械です』と物語るような黒塗りの腕。
もちろん形や動きを見れば、今までの物と大差無いだろう。だが、如何せん色が違う。あえて黒に塗ったかのような漆黒。
「父上、何故このような……」
その疑問も、すぐに解消された。腕にはメモが添えられていたのである。
『君は人だ』
──同じ腕が生えることに、寂しさを感じていたことくらい、父にはお見通しらしい。
イタズラな笑みが、脳裏によぎる。ほがらかな笑い声が耳にこだまする。頭を撫でた暖かい手が、思い出された。
「やはり、目のメンテナンスが必要ですね……」
でなければ、ぼやけた視界の説明がつくまい。
目を拭って、腕を取り付け始めた。
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Noel*26(プロフ) - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/a1de7a53d2/ 作りました（ ＾ω＾）初めてだったから不備があったら許してください。注射一回だけ免除にするんで。（） (2020年1月10日 22時) (
レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
らなこな(プロフ) - Noel*26さん» いいよ〜 (2020年1月10日 21時) (レス) id: f463428b23 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - 続々編作っていいすか...story3がいいなあ (2020年1月10日 21時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しました。((良い子の皆様はインフルエンザに気を付けて下さいね〜、マジで辛いw (2020年1月9日 22時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しまーす。 (2020年1月7日 23時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンレーム国幹部一同 x他5人 | 作者ホームページ：無い。
作成日時：2019年10月14日 15時
