第58話 byレオンハルト ページ14
唐突なハロウィンパーティー開催の知らせ。
驚きはしたが、お目付のキム君も、書類はほぼ終わったと言っていたし、息抜きも必要だろう。
それに、久しぶりの子供たちらしい催しだ。
まあ、ワタシはこの年だし、仮装なんてガラでもない。
ただ、お菓子でも用意して仮装した彼らを待っていてやろうと、それなりに楽しみにはしていた。
――3時間前までは。
……憂鬱だ。
ルヴァナ君の仮装の相談に乗ったまでは良かった。
ルヴァナ君と別れ、クーヘンでも準備しておいてやるかと考えていたその時。
非常に子供っぽ……若々しく輝く瞳のアル君が、待ち構えていた。
どうやら乗り気の様子で、お得意の変な機械を片手にわくわくとしている。
RAVEN君はメンテナンス中で来れないらしい。絶対嘘だろうがね。
そして、あろうことに、パーティーの参加……即ち、ワタシの仮装を要求したのだ。それも、しつこく。
いや、そもそもアル君はまだ半病人のくせに何をやっているんだ。今も退院ではなく一時帰宅の形のはずなんだがね。
……全く、仮装など何十年ぶりだか。
コスプレイヤーでもない独身50代の部屋にコスプレがあるわけもなく。
そういえば、とふと思い出す。
十数年前、某地の先住民族の医師を手伝いに行った時に貰った民族衣装があったはずだ。
クローゼットの奥の方を漁ると、わずかに青みがかった黒いローブのようなもの。
確か、ちょうど慰霊祭のような祭りがあっていて、そこの医師に誘われて参加したのだったか。懐かしい。
ただ、問題なのは……何分、南方系の民族だから露出がやや多い。あの頃なら良かっただろうが……爺の素肌など誰得だ。
かといって、他に思いつくわけでもない。……下に綿パン穿いて黒いフード付きコートでも羽織っておけばいくらかマシか。魔法使いか何かに見えるだろう。
ちょうど、ワタシの故郷にはヴァルプルギスの夜の伝承もあることだし、もうこれで良いか。
衣装が決まったところで、鬱憤と共にランタン型のケースにお菓子を詰め込む。
かぼちゃのクーヘンに、コウモリや猫の形のグミ、マジパン、そして友人たちから送られてきていたジンギスカンキャラメル、サルミアッキ、シュネッケン。
……え、チョイスがおかしいって?
はは、何を言っているんだね。いかなる時にも(ブラック)ユーモアは忘れずに。そうだろう?
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Noel*26(プロフ) - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/a1de7a53d2/ 作りました( ^ω^)初めてだったから不備があったら許してください。注射一回だけ免除にするんで。() (2020年1月10日 22時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
らなこな(プロフ) - Noel*26さん» いいよ〜 (2020年1月10日 21時) (レス) id: f463428b23 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - 続々編作っていいすか...story3がいいなあ (2020年1月10日 21時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しました。((良い子の皆様はインフルエンザに気を付けて下さいね〜、マジで辛いw (2020年1月9日 22時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - 更新しまーす。 (2020年1月7日 23時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンレーム国幹部一同 x他5人 | 作者ホームページ:無い。
作成日時:2019年10月14日 15時