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湿布を探しながら少し笑って呟いた彼の言葉にえ、と声が出る。
「ん？」
「名前…」
「あれ、違った？猪狩Aさんでしょ？」
「合ってるけど初対面ですよね？」
初対面の、しかも今日初めて存在を知ったような人に名前を呼ばれて驚かないわけが無い。
そう思って尋ねると少し考える素振りを見せた彼がそっか、と呟いた。
「�盒桐ヅ佑辰討錣�る？」
「あ、わかります。」
「あれ、俺の中学からの友達。
よく猪狩さんと中村さん？の話するから2人のことは知ってたんだよね。」
「あー麗ちゃん…」
麗ちゃんとは中学からの友達で、その麗ちゃんの隣に座っていた優斗くんともよく話すようになって3人で仲良くしている。
というか優斗くん私達の話するんだ…と嬉しいような恥ずかしいような。
その割には私達には自分の友達の話はしないから一方的に知られていたわけで。
何故かもっと早く目の前の手当をしてくれているこの人のことを知りたかったという気持ちになって、まずは名前からと口を開く。
「あの、」
「はい、出来た。
俺もそろそろ戻るかな。」
「ありがとうございます…。」
先生に怒られそう、と眉を寄せる彼はもう保健室を出ようとしていて、今日は無理かなと視線を落とす。
「…そういえば」
「ん？」
「猪狩さんさっきなんか言おうとしてた？」
「あ…」
『あれ、井上くんまだいたの？』
名前を聞きたいだけなのに、今度は戻ってきた保健室の先生に遮られてタイミングの悪さに若干嫌気がさす。
しかも聞かなくても彼の苗字が井上くんだってことはわかった。
今日はもういっか、と諦めて俯く。
…優斗くんに聞けばわかるだろうし。
「なに？」
突然聞こえた声に少し顔を上げると彼が見ていたのは先生ではなく私で、さっき言いかけたことの続きを待っていてくれたことがわかる。
「…えと、名前、なんて言うんですか？」
「俺？井上瑞稀。
えーと、じゃ、ほんとに行かなきゃ。
猪狩さんお大事にね。」
「はい、ありがとうございました。」
『井上瑞稀くん』
今聞いたばかりの名前を心の中で繰り返すとふわっと胸が暖かくなったような気がした。
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みぃ(プロフ) - みいさん» ありがとうございます！最近ちょっと行き詰まっててノロノロ更新でごめんなさい......(*_ _) (2020年3月18日 23時) (
レス) id: 94b7ce129f (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - 更新待ってました！続き楽しみにしてます(^^) (2020年3月18日 21時) (レス) id: 57d452a263 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃ | 作成日時：2020年2月26日 0時
