猫系彼氏×犬系彼女 M.I

20 *Mizuki ページ20

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ーMizuki Side





「あのAが瑞稀に嫌いって言った……」

「……優斗が余計なこと言うからじゃん。

ほんと最悪。」









しかも大嫌いだって…となぜかショックを受けている優斗とそんな優斗を睨みつける中村。








……でも、一番悪いのは俺だ。








毎日変わらず好きだと伝えに来る猪狩さんに甘えていた。




そんな彼女が愛しの蒼弥くん、と他の男を呼ぶ声を聞いて何故か頭に血が上り、大人気ないことを言って彼女を傷つけた。









「……。」

「…ちょっと、どこ行くの？」









棘を感じる声に振り返ると腕を組んだ中村がこちらを睨みつけていて。


その視線の鋭さに背筋が凍りついた。









「……猪狩さんのところだけど。」

「何？また酷いこと言って傷つけるつもり？」

「…いや、」

「あの子はね、あんたのどこがいいのか私には全くわかんないし、悔しいけどあんたのこと大好きなの。

次傷付けるようなことしたら沈めるから。」









……女子とは思えない迫力。



彼女の目を真っ直ぐに見つめてもうあんなことは絶対に言わない、猪狩さんの気持ちはよく分かってると伝えると漸く視線を緩めた中村。









「…早く行ってあげて。」

「うん、ほんとにごめん。」

「それを言うべきなのは私にじゃないでしょ。」

「そう、だな。」









中村に頷き、走り去った猪狩さんを追って俺も走り出した。

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