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花火に誘うこと以外でね、と付け加えた彼は、次々と上がっていた花火が一旦止んだところで再び口を開いた。
「…A。」
私の名前を呼ぶ声に暗闇に慣れた目で私より少し高い所にある彼の顔を見上げると、同じように彼も私を見下ろしている。
今日3回目の真剣な瞳に射抜かれて心臓がドクン、と大きな音を立てて跳ねた。
「な、に?」
「A、
……好きだよ。」
彼の口が好きだよ、と動いた直後、今日1番の花火が上がった。
…あ、私の好きな花火。
教えるね、と言ったけれど今はどう考えても教えられる空気じゃなくて、衝撃で上手く動かない私の頭をさっきの彼の言葉がぐるぐるとまわり続ける。
「…えーと、え?」
「急にごめん、びっくりしたよね。
…でも俺1年生の時からAが好きで今日もずっと一緒に花火見たいって思ってたし、今日1日一緒にいられてほんとに楽しかった。
Aは他の人のことが好きかもしれないけど、それでも誰にも渡したくないくらい好き、です。
…だから俺と付き合ってほしい。」
瑞稀くんのことを想い過ぎるあまり、幻覚でも見てるのかと思った。
それほど私にとってはこの状況はあり得るわけがないと思っていたことで、でも今わたしの前に立って話しているのは確かに瑞稀くんで、私がずっと思っていたことが彼の口から次々と発せられる。
「…っ。」
信じられない程嬉しすぎる言葉に我慢していた涙が1粒流れ落ちた。
「え、ごめん、泣くほど嫌だった…?」
始めの1粒から堰を切ったように溢れ出す涙に眉を下げて戸惑う瑞稀くん。
「…っ違うよ、」
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あや(プロフ) - 嬉しすぎます!ありがとうございます! (2019年12月28日 22時) (レス) id: 932c67e408 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - あやさん» はじめまして!ありがとうございます!今のところ付き合ってからのお話を番外編に書こうかなーと思っています!なんかリクエストがあったらTwitterまでお願いします (_ _*) (2019年12月26日 14時) (レス) id: 94b7ce129f (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - みぃさんはじめまして!このお話しもっと読みたいです(;_;)付き合ってからのお話しもぜひ書いてください! (2019年12月26日 1時) (レス) id: 932c67e408 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 美李愛さん» 2年ですか!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!! (2019年12月24日 21時) (レス) id: 94b7ce129f (このIDを非表示/違反報告)
美李愛(プロフ) - 瑞稀くんは2年位好きだけど最高です! (2019年12月23日 19時) (レス) id: 0382d94ee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃ | 作成日時:2019年12月14日 21時