りょうかたおもい M.I

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ぽかんと口を開けて、訳がわからない、とでも言うような顔をする優美。









「優美、口。」








指摘すると慌てて閉じるがぽかんとした顔は戻らない。







「え、どういうこと…？」



「そのまんま。諦めるよ。」








まあ、諦めるとかの段階までも来てないかもしれないけど。








超絶チキンな私は散々井上くんを見てかっこいい、だの好き、だの言いながらも絶対に話しかけられない。








隣のクラスだからって言うのもあるかもしれないから、もし同じクラスになれたら頑張る、違うクラスなら潔く諦めて次を見る。








だってそうしないと話せないのに高校3年間井上くんだけ見て、なんの進展もないまま彼氏なしで終わっちゃうから。







そんなの虚しいでしょ？





そう言っても優美は納得いかない様子。








「私Aが井上くん諦めるなんて絶対無理だと思う。」




「…そう？」




「仮に諦めてもまたすぐ戻ってくるよ。」







…まあ、私も正直そう思う。








「だってA、1日１回井上くん見ないと家に帰れないくらいでしょ？

それに、話したこともないのに信じられないくらいの情報量。」








これに関してはちょっと怖いよね、どこからそんなに仕入れてくるのよ、なんて失礼なこと言うから少し意地悪しよう。






やっと解けたー！って教室中を飛びまわるくらい苦労して解いていた数学の問題の解答を消しておいた。








「え！？解答消えてる！なんで！？」








…ざまーみろ。

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