りょうかたおもい M.I

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「…ダメだ。話しかけれない。」









昼休み、優美の席で一緒にご飯を食べながら頭を抱える。









「ええ！まだ？」









…と、いうか顔も見れません。









だって、だってほんとに心臓止まるんじゃないかってくらいドキドキするんだよ？









でもまあ、井上くんは大体寝てるから授業中は何も問題ないんだけど。









むしろ隣に井上くんがいるっていう緊張感のおかげで目が冴えていつも以上に授業に集中出来てありがたいくらい。









「でも５時間目英語だよね、今日たぶんペアワークある日だよ？」


「…まじか。」









確かに今日は英語の読み合わせだった気がしなくもない。









「えええ、どうしようどうしよう」









まあ頑張れ、なんて優美が適当に返事をしたところで蒼弥くんが優美辞書持ってる？忘れちゃった、と教室に入ってきた。









「あ、Aちゃん久しぶり」


「蒼弥くん久しぶり〜」









実は蒼弥くんと話したのは遊園地以来。









「どう？お隣の彼とは。」


「……！？」









まさか蒼弥くんに聞かれるなんて思ってなかったから食べていたおかずが喉につまった。









なんで知ってるの？なんて聞かなくてもわかる。

絶対優美だ。というか優美しかいない。









「で？どうなの？」


「どうもこうもまともに顔も見れてません…」









今まであんなに見てたのにやっぱり近すぎると見れなくなっちゃうみたい。









Aちゃん、超奥手なんだね…と目を丸くする蒼弥くんに曖昧に笑い返した。

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