りょうかたおもい M.I

42 Ryo.H ページ42

―Ryo Side―


「あ、やっぱりいた。」









瑞稀がくじを引いて8番だった、と言った直後、Aちゃんがすごい勢いで教室を出ていってその後を慌てたように優美ちゃんも着いていった。









あれはもしかしたら…と思い隣の教室を覗きに行くと2人がいて、急に開いた扉にびっくりしたようにこちらを見ていた。









「Aちゃん、何番だった？」









さっき教室を出ていったのはきっと瑞稀の言った番号が聞こえていたからで、そこまではわかっても隣になれた喜びを隠すためなのか、それとも隣になれなくてショックだったのかはわからない。









それにとんでもない独占欲を発揮しながらも意外とチキンで全く行動に表せない親友のためにも番号を聞いてみる。









「Aちゃん瑞稀が何番だったかは聞こえてたでしょ？どうだった？」









その問いに笑顔でさっき引いたくじを開いてこっちに向けるAちゃん。









「…まじ？」


「まじまじ。」









その紙には確かに瑞稀の隣の番号が書いてあって、Aちゃんはこれまでに見たことないほど笑顔。









「え〜！おめでとう！

頑張ってね、俺応援してるから！」


「ありがと、涼くん。」









笑顔のAちゃんと優美ちゃんと別れて瑞稀の所へ戻る。









「瑞稀〜Aちゃん何番だったか知りたい？」









なんで知ってんだよ、って顔をする瑞稀に聞いてきたんだ、と答えると素直に知りたいと頷いた。









「9番だってさ、隣だよ。おめでとう。」









信じられない、とばかりに目を見開く親友に微笑んだ。

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