りょうかたおもい M.I

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「いい？開けるよ？」



「え、ちょ、」






ちょっとまだ心の準備が…なんて言う暇もなく勢いよく5組の扉を開けた優美。









涼くんはどこだろう、と探すよりも先に窓際一番後ろの席に座る井上くんを見つけた。









いつものように見つめてしまいそうになるのを抑えて、いた、橋本くん、と呟いて教室に入った優美の後ろから涼くんの元へ向かう。









「ね、優…」


「橋本くん、ちょっと来て。」









涼くんは机に顔を伏せて寝ていて、優美、寝てるから後にしようよ、と言おうとした私の言葉を遮って優美が涼くんに声をかけた。








「ここじゃダメなの？」









と眠そうに尋ねる涼くんに内心ごめん、安眠妨害して、と思いながら









「ちょっと聞きたいことがあるの…井上くんのことで。」









と震える声で言うと、震えに気付いたのか、じゃ、行こうと促してくれる。









「…で？どうしたの？」









廊下に出て涼くんと向かい合い、1つ深呼吸。









「クラスの子が言ってたんだけど井上くん、彼女できたってほんと？」


「…は？」









怪訝そうな顔をする涼くんにさっき聞いた話をする。









「あ〜春奈ね、なんか告られたって言ってたかも。

でも振ったって言ってたから何も心配ないよ。」




「…ほんと！？」









どうやら優美の言う通り噂は嘘だったらしい。

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