りょうかたおもい２ M.I

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「井上くんおはよう、井上くんおはよう、井上くんおは…」


「Aおはよー！」



「わぁ！」









…びっ…くりした…









何としてでも井上くんに挨拶をしようと教室に向かいながら挨拶の練習をする私に後ろから飛びついてきたのは優美。









え、大丈夫？そんなにびっくりした？と優美は固まる私の前でひらひらと手を振る。









「…寿命縮んだよ絶対。」


「えーごめん。

だってAなんかブツブツ言いながら歩いてるから飛びつきたくなっちゃった。」









何言ってたの？なんて聞いてくるけど挨拶の練習してましたなんて言わない、というか言えない。




優美の反応なんて分かりきってるし。

絶対笑うでしょこの人。









「井上くんに挨拶の練習？」









と、突然割り込んできたのは作ちゃんの声。









「ほんっとに神出鬼没だよね作ちゃん。」









「いやーなんか昨日の放課後"偶然"明日は自分から話しかける！みたいな面白い会話聞こえたから、今日気になって早く来てみたら"偶然"Aと優美がいて。」









なんかブツブツ言ってたって"偶然"聞こえてさ、ってさっきから偶然を強調してくる作ちゃんは絶対確信犯。









「今日挨拶するんでしょー？

どう、練習は順調？」









…だめだ、もう何も言えない。



何故か作ちゃんには全てお見通しらしく練習してたことまでバレてしまって否定のしようがない。









「まあいいや、そんな健気なAに朗報です、いや悲報かも？

今日はもう瑞稀来てるよ？」









靴箱に靴あったよ、心の準備する時間ないね？と作ちゃんは可笑しそうに続けた。

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