ワケが21個 ページ22
授業を聞いている振りをしながら受けていると、あっという間に放課後になった。
⋯⋯もうカナ兄はお迎え行ってるかな。
無事に家まで帰れてるといいけど。
『⋯⋯さて、生徒会室に行こっか。二人とも』
優斗「うん、わかったー。瞳ちゃんー、ほら行くよー」
瞳「え、私は一人で⋯⋯」
『んな事言ってないで、行こうよ、ね?』
瞳は渋々と言ったふうに頷き、私達と一緒に生徒会室に行くことに了承した。三人で他愛のない話をしていると、いつの間にかに生徒会室に着いていた。
生徒会室の扉を最後に通り見渡すと部屋にカナ兄と私達以外の全員が揃っていた。
陽平「あ、瞳ちゃん。こっちに来て」
陽平は、促されるまま昴の横に座った瞳を確認してから、間髪入れずに「はい、これ」と机の上に四角い箱を置いた。
瞳「⋯開けていいの?」
陽平「うん、瞳ちゃんのだからね」
中に入ってる物を見て、驚いた様子を見せる瞳に私は内心苦笑した。
出会ってから数日しか経ってないのに携帯をプレゼントとか普通におかしいよねぇ⋯⋯。
瞳「⋯これ、どうすればいいの?」
昴「持ってろ」
真っ白いそれを、瞳がそっと箱から取り出す。
昴「中に俺らのアドレスを登録してある。なんかあったら連絡しろ。あと俺らからの電話は必ず出ろ。無理な時は後からかけ直せ」
瞳「これは、絶対に持っておかなきゃならないものなの?」
昴「肌身離さず持ってろ。何かあった時、役に立つ」
瞳「⋯わかった。お金払うわ。携帯っていくらするの?」
昴「金は要らねぇ。とりあえず持ちあるきゃいい」
瞳「⋯でも、」
昴「安モンだ。気にすんな」
瞳「あ「もーいいだろ。帰るぜ」
陽平「そうだね、あんまり遅くなると瞳ちゃんの家族も心配するだろうし。今日はもう帰っていいよ。携帯だけちゃんと持っててね。」
瞳「⋯⋯帰るわ」
長々と会話をしている二人に飽き、携帯を弄っていたら瞳の帰るって言葉が聞こえて慌ててぱっと顔を上げる。
瞳と綾が生徒会室から出ようとしてて、私はソファに置いていた鞄を咄嗟に持ち『私も帰るから待って!』と言った。
私が合流するまでちゃんと待っててくれた瞳と綾は優しいと思う。
________。
空気わっるいなー⋯。
私は二人に聞こえないくらいの小さいため息を吐いた。
特に会話もないまま時間だけがすぎて、分かれ道まで来てしまった。
仕方ないのかな、これ⋯⋯。
『んじゃ、私はこっちだから。じゃぁね』
綾「おう」
瞳「⋯えぇ」
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作者名:小林 | 作成日時:2018年10月20日 14時