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ワケが19個 ページ20

奏「...嬢。弁当持ってきてね〜のかよ」


私たちが思ってることをカナ兄が代弁した。

え、マジでそれだけ?え?


瞳「え?これがお弁当なんだけど。どうしてみんな固まるのよ」


それはお弁当って言わない。

悪くいえばお菓子だ。お菓子。


私たちのお昼ご飯を見て“同じじゃない”とか思ってる瞳には悪いけど、全然同じじゃないから。


陽平「瞳ちゃん、それで足りるの?」


遠慮がちに陽平は瞳に聞いた。


瞳「足りる...っていうか、食べることにあんまり興味が無いの。だから別にある分だけでいいの」


そう言いながら瞳はペリっとヨーグルトの蓋を剥がした。

食べることに興味がないって...。

ほら、昴を見て。あのいつも無表情(じゃない時もあるけど)な昴まで変な顔してるよ。


あの昴がこんななんだから、勿論あのうちの別名お母さんとも言うカナ兄が黙ってるわけがない。

ほら、


奏「ちょ〜待て!んな適当でど〜すんのよ!」


瞳「一応乳製品なんだから身体にいいでしょう?」

奏「なんだそのとりあえず乳製品とっとけ〜みたいな思考は!これ喰え!」


そう言ってカナ兄はフォークに卵焼きをぶっ刺して瞳に向けた。


瞳「そんな女の子からの貢物、気が進まないわよ!」


はは、女の子からの貢物だってよ。

まぁカナ兄が作ったとは思えないんだろうな。


奏「俺が作ったんだっつ〜の!」

瞳「絶対うそで、んむぅっ!」


瞳が喋ってる間に口に突っ込むとかカナ兄大胆〜。


カナ兄は満足そうな顔をして、「嫌がる女に突っ込むなんて、男心をくすぐるじゃねぇの
よ〜」なんてふざけて言う。


奏「うめぇだろ?」


まあ美味しいだろうね。私もいまさっきカナ兄特製の卵焼きを食べたし。


瞳は何故か私の方を見て「本当に作ったの?」と聞いてきた。

そこでカナ兄に聞かないあたり信用がないことがわかる。


『ほんとほんと。それぜーんぶカナ兄が作ったやつだよ。ほら、私のこのお弁当もカナ兄が作ってくれたやつだし』

奏「そうそ。それにしても嬢は疑り深いね〜。作ったんって言ってんじゃね〜の」


そういった後はもう普通に。普通に、カナ兄は瞳に食べさせたフォークを使ってお弁当を食べていた。


瞳「...へぇ、作り方教えてもらおうかな」


瞳は小さく呟いた。

いいんじゃない?家庭的な方がいいよ。


なぁんて考えてたら、瞳の隣の...まぁ昴ね。

昴が不機嫌そうに瞳に「おい」と言った。


わお、オーラも黒い。

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作者名:小林 | 作成日時:2018年10月20日 14時

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