ワケが17個 ページ18
お昼まで残りあと一つ授業が残っている。
チャイムが鳴って、私は席を立った。
瞳は少し動揺して私を見て、優斗はこれから私が行くところがわかっているのか、特に気にした様子もなく私を見た。
『んー、こんなに授業に出たの久しぶりだな。少し疲れちゃった』
瞳「A、貴方いつも授業出てないの?」
『うん。出なくてもテストはできるし』
優斗「羨ましい限りだよねー」
私は一応大学が卒業できるまでの学力は身につけている。
何が起きても対応できるように。
少し内容を忘れても、陽平が教えてくれるから安心できる。
......てなわけで、サボる。
堂々とサボるのもちょっとアレかな、と思うけど、まぁ生徒会特権だから。
優斗「行くの?」
どこ、とは言わなくても私達は通じる。
『うん』
私は鞄とかその他諸々を手に取ってあるきだす。
優斗「僕もお昼になったら行くからー!」
『はぁーい!』
振り返らずに声を大きくして返事をする。
...うん、目立ってしまった。
私はカナ兄似だ。勿論、七音と花音とも似てるけど。
まぁ、何が言いたいかと言うと、私は容姿が整っている。
ナルシストみたいだけどね、嫌でも気づくでしょ。幼稚園から今、高校にかけて異性から告られまくるし、カナ兄とか七音達とそっくりな自分がブサイクなわけないじゃん?
目立つことには慣れてるけど、好きにはなれない。
目立たず生きていければ最高。だけどそれは環境が環境だから無理と諦めてる。
生徒会室の中に入って、自分のソファーへと向かい、座った。
座るのと同時に、私は体制を崩してダランとソファーによっかかる。
『あ゛ー、疲れたー』
自分の隣のソファーに座るカナ兄が優しい目を細め苦笑した。
奏「A、疲れたにしてもだらしなさすぎるぞ〜」
綾「おま、ここには男しかいねぇんだぞ」
『んー...』
だらしないのも、男しかいないってのもわかるよ?
たった3時間授業に出ただけでこんなになるなんて、情けないとも思ってるよ?
でも疲れた。
ただ疲れた。
陽平「Aちゃん、瞳ちゃんは?」
『瞳は優斗と一緒に居るよ。今頃数学やってるんじゃないかなー』
陽平「そう」
数学担当のあの先生、なぜか知らないけどとてつもなく眠くなるんだよね。
......あー、先生の声思い浮かべちゃったから眠くなってきた。
『寝るから、瞳と優斗来たら教えて』
返事をされたけど、もうほぼ何を言ってるかなんて、分からなかった。
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作者名:小林 | 作成日時:2018年10月20日 14時