ワケが16個 ページ17
「姫とか言われてー、なにその気になってんの?鏡見てからにすればー?」
貴方が鏡見てこい。
「ブサイクがその気になってんのって超痛いよー?」
瞳がブサイクなら貴方はなんなんだろうね。
「てゆうかその澄ました態度も気に入らないんだよねー」
瞳は確かにツンとしてるけど、私は貴方の方が受けつけられない。
バサバサバサバサ、暑苦しいまつ毛がうるさいし鬱陶しい。
「てかなかんか喋ればー?」
「ビビって声出せねんじゃね?」
きゃははと甲高く笑うギャル3人。
何も言い返さない瞳に少しモヤッとする。
“姫”になったのは、瞳がなりたくてなったんじゃなくて、私たちが望んだから。
瞳は姫で、私の...まだ認めて貰ってないけど友達。いづれは親友になりたい存在。
私は生徒会の中ではキレやすい方だ。
決して表には出さない。
...慣れてるから。
どんなに悲しくても、どんなに怒ってても、私はポーカーフェイスを貫ける。
今回も、このギャルたちの反感を買わずに瞳をフォローすればいい。
『あれー...なにやってるのかなぁ』
私は皆から見える位置に立っていつもの声音で言った。
「っ、Aさん!」
「違うんです、これは、この女がっ、」
『私、言い訳なんて聞きたくないかな』
「...っ、」
『瞳...姫を傷つけるってことがどういうことが分かってるの?これからは瞳に危害を加えないって約束してね?』
言葉を発していると、ドアがどんどんと叩く音が聞こえた。
...優斗かな。
優斗「Aちゃーん、瞳ちゃーん?いるー?」
女子トイレの外から優斗が声をかけた。
「吉良くんじゃん、」
「ねぇ、絶対やばいよ」
「っ、もういいからいけよ。...Aさん、すみませんでした。」
そういった後にギャルの中の一人が瞳の肩を押す。
...押す時に何か言ってたけど、気になるな。
まぁ、聞かないけどね。
瞳と一緒にトイレから出ると、優斗が「なんもなかったー?」と話しかけてきた。
瞳が何も言わないから言われることなんて望んでないんだろう。
本当は言わなきゃなんだけど、今回のは言わない。
...次は瞳が望んでようが望んでなかろうが絶対に言うけど。
瞳「別に何もないわ。ところで、どうして吉良優斗がここにいるの」
優斗「心配だったからでしょー。それに優斗だってばー」
頬をふくらませて歩く優斗。
すると、急に次の授業が移動教室だと言い、走り出した。
『ちょ、早い!待っ、優斗ー!』
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作者名:小林 | 作成日時:2018年10月20日 14時