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ワケが15個 ページ16

あ、フルネームで優斗呼んだ。


優斗「あぁー、またフルネーム!優斗って名前で呼んでよっ」


案の定優斗は拗ねた表情をして言った。

なんだろ、温度差が驚くほどに違う。


『そういえば私も呼ばれてない』

瞳「名前で呼ぶほど仲良くもないじゃない」

優斗「えぇー?そりゃ会ったばっかりだけどこれから仲良くなるんじゃん!」

瞳「“仲良く”?」

優斗「そーだよー。瞳ちゃんは“姫”だし」

『なんなら生徒会の副会長だし。必然的に一緒にいる時間も多くなるよね』


顔にくっと眉間に皺を寄せたのを見て優斗が人差し指で軽く瞳の眉間に触れた。


優斗「またそんな顔するー。瞳ちゃんは誰とも仲良くなりたくないの?」


わぁ優斗、グイグイいくな。


まぁ私も瞳とは良い関係を築いていきたいしなぁ。

優斗を止める気は元からない。


瞳「、なりたくないわ...」

優斗「そっかー」


頷きながら手を離し、満面の笑みで「でもまぁ、仲良くなるんだけどねー」と優斗は言った。


瞳は体を動かさず私を目で見た。

助けを、求められてる?


でも残念。それには応えられない。


『...私も、瞳と仲良くなりたいかな』


優斗は私の顔を見てにっこり笑った。そしてまた瞳へと目線を戻す。


優斗「だからちゃんと優斗って呼んでね。あ、お昼一緒に食べよーね」

『あ、私も』


瞳がなにか言おうと口を開いたけど、運悪くチャイムが鳴った。

結局口を閉ざしたけど、何を言おうとしたのかね。

文句ってことは聞かなくてもわかるんだけど。


________。


授業が始まってようが終わってようが、優斗は気にせず後ろを振り返って話す。


私は勿論話すとして、瞳も律儀に返事を返している。


そのせいで先生から怒られたことに瞳は少し不服そう。


「トイレに行く」と言い出した瞳に、2人で「ついて行く」って言ったら即座に「絶対に止めて」と言われた。

うーん、私、トイレまで着いてかなきゃダメなんだよね。


ほら、トイレって典型的なリンチが起こる場所でしょ?


てなわけで教室を出た瞳の後ろをついて行く。

きっと後から優斗も来るだろう。


____やっぱりこうなった。


「あんたチョーシのってんじゃないの?」


死角になる所にいた私には気づいてないみたいだけど。


目の周りが真っ黒で肌が真っ白。まぁ、パンダみたいなまつ毛がバサバサしてる女が瞳を囲んだのを見たのは数秒前。


前に昴が言ったこと忘れてんのかな。

手ぇ出すなって言ってたけど。

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作者名:小林 | 作成日時:2018年10月20日 14時

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