ワケが13個 ページ14
三鷹の近くまで来ると、私の前を歩いていたカナ兄が急に止まった。
『...?カナ兄、どうしたの?』
奏「んー?煙草がきれてたの忘れててやっべって思っただけ。なぁA、コンビニ寄ってくから先に行っててくれるか〜?」
『ん、いいよ』
「ありがとな〜」と言い、カナ兄は近くのコンビニがある方向へと足を進めた。
________。
校門の前で私は1人...いや、周りに男子凄くいるけど。とりあえず瞳を待ってた。
カナ兄はまだ来ない。
どんだけコンビニにいるんだ。
自分の世界に入ってると、ふと周りの男子がざわついたのに気づいた。
『なんだ?』
前を見ると、男子たちに強烈な挨拶をされ、引き気味な瞳がいた。
私は走り、瞳の前で止まった。
『おはよ、瞳』
瞳「お、おはよう。貴方、なんでここにいるの?」
『んなの瞳を待ってたからに決まってるじゃん』
瞳と話していると、緑のモヒカンが現れて瞳に「姫!鞄をお持ちします!」と言った。
瞳「姫!?」
吃驚してるな、瞳。
モヒカンくん、相手にされてなくてちょっと涙目になってる。
モヒカンくん......哀れ。
生徒会に入った次の日、私も今の瞳のように鞄を持たせて欲しいと言われたことがある。
どこのお姫様だよ。と思って丁重にお断りしたけど。
奏「お、嬢。早ぇ〜じゃねぇの」
私の前、つまり瞳の後ろからカナ兄の緩い声がした。
瞳は振り返って「秋山奏!」と言った。
奏「...呼び捨てかよ。一応先輩なんだけどね〜」
ズボンのポケットに手を入れながら「ふぁっ」と欠伸をするカナ兄。相変わらず鞄は持ってきていない。
男子「「おはようございます!!」」
いつも通り挨拶をされるカナ兄。
本人はすっごく興味無さそうだけど。
奏「あ〜、はいはい。俺には挨拶しなくていいっていつも言ってんじゃね〜の。可愛い女の子のヤラシイ声にしか興味ねぇのよ」
嘘つけ。
そう思い、少し白けた目でカナ兄を見てると私と同学年の可愛らしい女子生徒がカナ兄に挨拶した。
「あ、秋山先輩っ。お、おはようございますっ」
奏「お〜、おはよ。キミすげ〜可愛い顔してんね〜、今度デートしねぇ〜?」
さっきの男子とは全然違う反応。
瞳がそれを見て「最低...」と言った。それに対してカナ兄は「なんか言ったか?嬢」なんて、ニヤニヤしながら言う。
瞳が立ち去ろうとする。モヒカンが鞄(持とうとするけど断られる。凄く健気で泣けてくるよ、私は。ま、泣かないけど。
42人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:小林 | 作成日時:2018年10月20日 14時