ワケが12個 ページ13
『____ん、』
ピピピピ......ピ......
鳴り続けている目覚まし時計を唸りながら叩いて止める。
自分でこの時間に起きようとこの時間にセットしたけど......怠いな。
綾が送迎係ってことになったけど、勿論瞳はそれを知らない。
今日、瞳は1人であの学校に来る。
誰にも頼まれてないんだけどね、とりあえず三鷹の校門の前で瞳を待つことにしようと思う。姫になった女の子を危険な目に合わせる訳にもいかないし、私が瞳の家まで行けばいいんじゃないかと思ったが、私、瞳の家知らないし。
まぁ、校門にいるしか選択しないよね。
陽平に言えば教えてくれるんだろうけど、瞳に引かれたくないし。
私はベッドから出て制服に着替えた。
リビングに行くと、まだ早いというのにカナ兄がいた。
カナ兄が私に気づいて目を見開く。
奏「A?どうしたんだ〜?いつもならまだ寝てる時間じゃねぇの」
『瞳を校門の前で待とうと思って』
それを聞くと、カナ兄は呆れたように目を細める。
奏「あのなぁ〜、嬢が何時に家出るかなんてわかんねぇだろ?長時間ずっと待ってるつもりなのかお前は〜」
『......まだ寒い、よね。......やめようかなぁ』
奏「そうしな〜、嬢は遅刻は絶対しないタイプだと思うからよ、5分前に着くように二人で行こうじゃねぇの」
『え、一緒に行ってくれるの!?』
奏「当然だろ〜、Aは嬢が心配なんだろうけど、俺はAが心配なんだよ〜」
そう言いながら私の頭を撫でてくるカナ兄に、安心感を強く感じた。
ありがとうと言い、私は微笑んだ。
足音が聞こえて後ろを振り向いた。
そこには、眠そうな顔をしてる七音がいた。
七音「...あれ、二人とも早いね。今日なにかあるの?」
『ふふ、うん。今日は早く学校に行くの』
奏「悪いんだけどよ、花音を保育園に連れてってくれるか〜?」
七音「うん、わかった。任せて」
『ふふ、七音は偉いね』
さっきカナ兄がしてくれたように七音の頭を撫でると、「わ、やめてよ」と照れながら七音が言った。
ダメだ...可愛すぎて悶えてしまう。
七音とじゃれてると、カナ兄がいつの間にかご飯を作り終わっていて、私たちを呼んでいた。
食べ終わってしばらく経ってから椅子から立ち上がる。
奏「お、もうこんな時間か〜、んじゃ、俺たち行くから、花音頼むぞ〜」
七音「はーい」
『行ってきます』
七音「ん、行ってらっしゃい」
私とカナ兄は家を出て、三鷹へと向かった。
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作者名:小林 | 作成日時:2018年10月20日 14時