【龍ﾈ申】あのね、好きかも【短編集】

独り占め、とか　#15 ページ10

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「柳田選手おつかれさま、はいタオル」



「ありがとう。

もう試合終わったから、くん、ね」



「あは、柳田くん、ね(笑)

お疲れ様でした。今日もサーブ素敵だった」



「うん、ありがとう。
Aも、今日も一段と声がよく聞こえた」



「うーーん、ちょっと恥ずかしいな……

でも最近、声出してくれるお客さん増えてきたから
そのうち私の声なんか聞き取れなくなっちゃうかもね」



「Aの声ならどんな喧騒の中でも聞き取れるよ」



「………よくそんな、恥ずかしいこと言えるよね」



「？
俺なんか変なこと言った？」



「言いました。
あー恥ずかしい！やだやだ」



「あは、ほんと。
顔、赤くなってきてる」



「………見ないでよ」



「やだ、見せて」



「…柳田くん、よく悪趣味って言われない？」



「言われない。初めて言われた」



「嘘だぁ……」



「…………ね、これ頭からかけてていいよ」



「えっタオル？なんで？
もう使わない？」



「違う」



「そ？

じゃあ預かるね。頭からかけないけど」



「かけててってば」



「いや、頑なすぎない？
何？なんかあった？」



「……顔赤いの、かわいーって思って。
あんま見られたくない。他の人に」



「…………」



「だから、かけとけって、言ってんの」



「……っぁ、

…汗臭いからやだ」



「しばくぞ」






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