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「…う、ウソップ？」
「あぁいや、うちのクルーなんだけど…」
そう言ってサンジさんは少し考えて頷いた。
「いや、違うな。ウソップはあんな飛ばない」
「そ、そうなんです…よ」
カクさんと見間違えるって…きっとそのウソップさんは鼻が長いんだろうなぁ。
「たぶん…今、のは、大工さん、です。船の…修理に行った…かな？」
「あっちの方角なら…俺達の船がある方だな」
「そ、です…ね。きっと直してもらえる、の」
大丈夫、きっと直る。
直りますように。
助けてもらった人の船が直るように、こっそり心の中で祈った。
でも、私が祈らなくても、ガレーラカンパニーの職人さん達の腕なら問題ないと思うな。
「あ…大きな道、出ました…よ」
「ありがとう！本当助かったよ」
「いえ、私も、本当に、ありがとうございました」
深く深くお礼をして、私は自宅へと足をすすめた。
船の修理が終わるまではウォーターセブンにいるって言ってたから、またどこかで会えたらいいなぁ。
「アイスバーグさん、ご飯できるますよ」
「あぁ、ありがとうシロ。すぐ行くよ」
今日もアイスバーグさんと晩御飯が食べられる。
お祭りが始まった頃は忙しくて一緒に食べられなかったけど、ここ最近は一緒に食べれる日が多いから嬉しい。
それに一緒に食べる日は調味料も入れ間違えてないし、買い忘れもないし、ここ最近ちょっと調子いいかもしれない。
あ、嘘。
この前顔に絵の具つけちゃったし、届けなくていい資料届けたり、その他もろもろ。
「はぁ…」
「どうかしたか？」
「え、あ、い、いえ。何も、です」
ダメダメ、今はため息しない。
せっかくのご飯なのに、失礼だ。
「そういえば、今日海賊に追いかけられただろう」
グギュ、と空気を無理やり呑んでしまったので喉から変な音がした。
「……………されてませんよ」
「ンマー嘘が下手にも程がある」
ゔっ、ちょっと詰まってちょっと流暢になっただけなのに、鋭い。
「な、なんで、知ってるんでしょう？」
「あいつら自分から話してきたぞ。お前のガキのせいで怪我した慰謝料払えと」
「えぇ…」
そこまでしたのかあの人達。
あれだけサンジさんにコテンパンにされたのに…すごい執念。
「そ、それで、どっ、どうしたんで…すよ？」
「1番ドックの連中がキレにキレて追い返したよ」
「わぁ…」
「俺もキレた」
「はわ…」
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作者名：シロズキ | 作成日時：2021年12月30日 19時
