第三皇女 対話 6 ページ46
私、フィオナ・Aの左には、セレスちゃんと
目の前にいるのは、ネーベル第一皇女、ローゼマリー皇女とヴォルフさん。
目の前にいる皇女の顔色が悪い。
フィオ「……顔色が悪いですが、休まれていないのですか？」
ローゼ「いえ、休ませて頂きました。フィオナ様の方も、病み上がりの所、お時間を取って頂き、ありがとうございます」
フィオ「なら、早くして頂けますか？」
セレス「フィオナ様!?」
セレスちゃんの咎める声が聞こえるが、関係ない。私は、どうしても彼女に言いたいことがあった。
ローゼ「この度は、私の護衛騎士、クラウスの命を助けて頂き、ありがとうございました。彼も先程意識を取り戻しました」
フィオ「……貴女の為ではありません。私のいる領地で、人が死ぬのが許せないだけです。それに、リーフから聞いています。応急処置が素晴らしかった、と」
視線は、皇女の後ろに控えていたヴォルフさんに移すが、彼は私の視線から顔を背ける。
ローゼ「フィオナ様、私は……」
フィオ「ネーベル皇女。私は貴女が大嫌いです」
彼女の言葉を遮り、自分の思った事を言った。ユアンには、事前に言っていたから、顔をギョッとさせていたが、セレスちゃんは何か言いたそうだった。
でも、ユアンが後ろで止めていた。
フィオ「貴女が、ネーベルが憎いです！ いつも、いつもいつも、兄様と姉様を取って!!」
ローゼ「…………」
フィオ「今回も……！ セレスちゃんもユアンも、気付いていたのでしょう!? 全部、A姉様は、彼女の為に動いた!!」
セレス「フィオちゃん、それは……」
フィオ「あまつさえ、港での行動は浅はかです！ 王族の名前を出せば、本当に受け入れられると!? 私やユアンがいなければ、貴女はどうなっていたか解りますか!?」
ヴォルフ「フィオちゃん、マリーちゃんは……」
フィオ「私は、そんな貴女が大嫌いです!!」
貴女の話は何も聞きたくないと、あからさまな拒絶。
これ以上の話は必要ないと思い、私は自室へ戻った。
残された四人が何を思っていたのか、何も考えたくなかった。
兄様と姉様が、何も伝えなかった事と、カー君も何もかも言わなかったのも、こういう事になることが解っていたからだと思う。
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作者名：print11 | 作成日時：2019年6月30日 22時
