もう一人の転生者 4 (ページ30)

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第三皇女不安1 ページ30

セレスちゃんが合流出来たとして、船にいる皆さんは大丈夫なのだろうか。
船とこの陸までの距離は、どの位まで縮まっているのだろうか。
アー君の時は、少なくとも一定の距離感が判っていたから、黒(ｼｭﾊﾞﾙﾂ)との連絡は取れた。でも、何もしないよりはマシだと、自分に言い聞かせる。

フィオ『((白(ｳﾞｧｲｾ)))』

・・・・・
セレス side

私が乗っている船と比べるのもなんだが、それなりに大きな船だ。
スピードを速めて向かっているが、小舟である事と白(ｳﾞｧｲｾ)が乗っているのもあり、そこまでスピードが出せない。
遠くで煙が上がっていたのは見ていたが、手遅れになる前に救助すべきであろう。

セレス「白(ｳﾞｧｲｾ)、フィオちゃんに会う前に一仕事ね！」

ガウと、良い返事は貰えた。

さて、どうやって船に乗り込もうか。
辺りは最悪な事に霧が立ち込めている。それなりに近くまで船に近付かなければ、船には乗り込めないであろう。
どうしたものかと悩んでいると、白(ｳﾞｧｲｾ)に腕を引かれる。

セレス「白(ｳﾞｧｲｾ)？」

フィオ『セレスちゃん、聞こえますか？』

セレス「フィオちゃん!?」

フィオ『セレスちゃん!! 今、どこまで来ていますか!? 近くで船が襲われています!!』

セレス「今、その船の近くまでいるのですが、如何乗り込もうかと思っていたのですが……」

全長にして約60～70メートルといった所か、高さもそこそこあり、どこかに橋渡しがされていなければ乗り込みられそうにない。

フィオ『セレスちゃん、白(ｳﾞｧｲｾ)から魔力の受け取りは出来ますか？風魔法で途中まではセレスちゃんと白(ｳﾞｧｲｾ)を運べるかもしれません』

セレス「ですが、それではフィオナ様に負担が……。ユアン君は近くに？」

フィオ『ユアンは今側に居ませんが、銀(ｱﾙｷﾞｭﾛｽ)がいますので、大丈夫です！』

銀(ｱﾙｷﾞｭﾛｽ)とは？
そこの辺りを突っ込みたかったが、ユアン君の代わりの者が側に控えているという事だろう。
私の魔法は水に特化しており、乗り込むために、小舟とはいえ船ごとの移動となれば、そこで疲弊してしまいそうだ。
それに、目の前にいる船に乗り込んでしまえば、今の自分の小舟は必要ない。

セレス「フィオナ様、お願いできますか？」

お願いと同時に、白(ｳﾞｧｲｾ)の首元の宝玉が輝き、緑の膜に優しく包まれた。