もう一人の転生者 1 (ページ9)

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友人と婚約者と騎士交流ページ9

レオン「僭越ながら、トールギス王子にお聞きしたい事があるのですが……」

トール「なんだ？」

レオン「先程の光の塊は、何だったのでしょうか？アレを斬った腕が、麻痺していたのですが……」

トール「その質問に答える前に、少しだけ良いか？」

考える素振りをみせ、目線はAを見ていた。

トール「クリス、貴殿に弟か妹はいるか？」

クリス「あぁ。３つ下の妹と、５つしたの弟がいる」

A「まぁ！フィリーとフィオと同い年なのですね！」

トール「ふむ。A、どうだろう？弟君には会いは行けないかもしれないが、妹君と交流を持っては？」

A「よろしいのですか？」

Aはクリストフの方に顔を向け、首をかかげる。

クリス「もちろんだ。ローゼも喜ぶ」

トール「なら、先にラーズと共に妹君の所へ行っていてくれ。私は、クリスとレオンハルト殿と少し話をしてから行く」

なぜか、Aを早めにこの場所から離そうとしているような気がしてならない。
だがA自身も、クリストフの妹君に会いたいと思っていた。

A「あの、妹君の場所は？」

クリス「ローゼなら……」

トール「A、折角だ。場内の散策も含め、探してみてはどうだ？」

A「………………」

トール「ラーズもいるから、安心も出来る。それに、問題ないだろう？」

クリス「それは、構わないが……」

トールギスの無茶振りは、今に始まったことではないが、Aは不服そうな顔をしていた。

A「はぁ……。解りました。ではクリストフ様、妹君の名前を教えて頂けませんか？流石に名前も解らないままでは不安ですわ」

クリス「あぁ。妹の名前は、ローゼマリー。ローゼマリー・フォン・ヴェルファルト」

A「ローゼマリー様ですね？解りました。では私は、失礼致します。ラーズ、ご一緒願います？」

ラーズ「はい。では、トールギス殿下、クリストフ皇子様、オルセイン殿、御前失礼致します」

Aは不服そうに、ラーズを連れて、妹姫の元へ向かって行った。

トール「さて、Aも行ってくれた事ですし、レオンハルト殿の質問にお答えしましょう」

完全にAの姿が見えなくなった事を確認すると、トールギスは話し始めた。

トール「あの球は、光を凝縮させ、内部に雷を起こしていたんです」

再び手の平に、最初に見た光の球が、トールギスの手の中に現れた。
そして、からくりを丁寧に教えていった。