もう一人の転生者 1 (ページ49)

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騎士たちの会話ページ49

ロウ老師に連れられ、元々借りていた二部屋の内のもう一部屋へ移動した。
部屋に着けば、セレスティアはお茶の準備をし、他の者は備え付けの椅子に座った。

カーティス「老師、なんで皇女(ﾌﾟﾘﾝｾｽ)と二人きりにしたんです」

ロウ「クリストフ様はA様の婚約者ですよ？忙しい合間をぬって来て頂いたのに、家臣である私達が気を利かさないでどうしますか」

セレス「やっぱり姫様、婚約者がいらしたんですね」

紅茶の入ったカップを順に渡していき、空いている椅子に座る。

カーティス「アクセル、貴方知っていましたよね？知らないはずがないですよね」

アクセル「ちょっと一仕事してきます、的な顔をしている人に言える訳がないでしょう！絶対に行動を起こさないで下さいよ！」

レオン「それは、止めて頂けると助かるのですが」

ロウ「最近の若者は血気盛んでいけませんね」

セレス「そんな事したら変な噂が立って姫様、行き遅れか、嫁に行けなくなるわよ」

カーティス「皇子(ﾌﾟﾘﾝｽ)だって、嫁がせるつもりがないのでしょう」

アクセル「トールギス様は、政治的な意味で言っているだけです」

レオン「トールギス様もそのような事を」

ロウ「おや、クリストフ様もですかな」

レオン「えぇ。兄君達は、妹が可愛くて仕方ないみたいですね」

セレス「でも、トールギス様のような兄だったらアリかも」

カーティス「なんです、貴女……。皇子(ﾌﾟﾘﾝｽ)の事が好きなんですか」

セレス「好きというか、憧れの方が強いわ。今、私がこうしていられるのも、トールギス様のお陰だし……」

少ししんみりとした雰囲気になり、空気を変えようと、レオンハルトは別の話題を切り出した。

レオン「そういえば、海賊に襲われたと聞きましたが、皆さんは武器は」

不思議に思っていた。護衛であるにも関わらず、武器を所持していない。

ロウ「申し訳ありませんが、国家秘密になります。もしA様の許可が降りれば、お話致しましょう」

セレス「ごめんね、オルセイン殿。こればかりは言えないんだけど、どんな武器を所持しているかは教えてあげる。例えば私の獲物は鞭。カーティスは、ナイフ。アルマーは、長剣」

アクセル「それと、オルセイン殿もご存知のラーズ殿は、大剣になります」

カーティス「自分の背丈ほどある剣を振り回すのは、アクセルとラーズ殿くらいですよ」

ムーンパレスの騎士たちは、個性的だけではなく、武器も個性的だった。