もう一人の転生者 1 (ページ45)

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王子の独白 1 ページ45

クリストフ side

久しぶりに見たA姫は、凄く綺麗だった。
着飾られているせいもあるのだろうか、その姿は、より一層美貌を引き立ていた。

クリス「頭を上げて下さい、A姫。お疲れの所に訪問した、私の方にも非があります」

カーティス「そうですね。もう少し考えて来て頂けませんか」

A「カーティス！すみません、私の騎士が」

クリス「いえ、随分ハッキリと言われる方ですね」

レオン「彼も十二騎士の一人ですか？」

A姫の隣に立つ、アクセル殿とは違う赤髪の彼は、早く立ち去れ、と言わんばかりの目をこちらに向ける。
まるで、前まで弟から向けられていた目のようだ。

A「はい。カーティスも十二騎士の一人です。それと、後ろに控えているセレスもです」

セレス「よろしくね〜」

ムーンパレスの騎士は、なんとも個性豊かな面々がそろっているようだ。
それにしても、A姫と距離が近い気がするのは、気のせいではなさそうだ。

レオン「お迎えにあがった時は、ご紹介が出来ませんでしたので、挨拶に参った次第なのですが……」

A「気になさらないで下さい、レオンハルト殿。カーティス、私が良いと言っているので、威嚇は止めて下さい」

ロウ「ご足労頂き、ありがとうございます。うちの若い者が申し訳ありません。私は、テイファン・ロウ。A様の補佐を務めます。そして、私の隣にいるのが……」

セレス「セレスティア・ハウ。それで、姫様の隣にいるのが、カーティス。アルマーは、もう知っているんですよね？」

レオン「ご丁寧にありがとうございます。私は、レオンハルト・フォン・オルセインと申します。そしてこちらが……」

クリス「クリストフ・フォン・ヴェルファルトだ」

セレス「え……、皇、子様？」

ハウ殿は顔を青くし、ロウ殿は面白そうに笑っていた。カーティス殿に至っては、顔をしかめている。

カーティス「なぜ、ネーベルの皇子がこちらに？」

クリス「家臣が、王族の関係に口を出すのですか」

カーティスという男は、どうも此方を良く思っていないらしい。

ロウ「積もる話もおありでしょうし、家臣である我々は外へ行きましょう。どうですかな、オルセイン殿」

レオン「私は、構いませんが……」

A「ロウ老師、お願いします」

鶴の一声とは言ったものだろうか。
騎士の二人、カーティス殿とアクセル殿は不服そうな顔をしていたが、ロウ殿に連れられていったのだ。