もう一人の転生者 1 (ページ26)

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皇女と第二皇女の騎士ページ26

フィリーを部屋へ連れ帰り、先程のフィオへの言動を咎めた。

A「フィリー、フィオへの態度は、どうにか出来ませんか」

フィリー「…………」

A「貴女が兄妹の中で、自分だけが違う事を快く思っていない事は知っています。ですが、フィオは貴女の妹です」

フィリー「だからです！フィオが妹だから疎ましいんです！あの子が生まれて、兄様と姉様と同じように才能にも恵まれて……！私だって、兄様と姉様のお役に……!!」

A「フィリー?!」

気持ちが高ぶってしまったせいか、咳き込み、過呼吸の様な状態に陥る。
フィリーを抱きしめ、背中をさすり落ち着くように促す。

A「落ち着いて。大丈夫よ、フィリー。私は、貴女が妹で良かったと思っているわ」

フィリー「姉様……」

？？？「フィリア様……?!」

A「ウェイン、良い所に！フィリーをベットに運んでくれませんか？」

ウェイン「はい！」

フィリーが落ち着いた所で姫抱きにし、ベットに運んだ。
長い時間外に出ていた疲労もあってか、そのまま眠りについてしまった。

A「ウェイン、助かりました」

ウェイン「いえ。私の方こそ遅くなってしまい、すみませんでした」

彼はウェイン・クルーズ・リバー。フィリーの専属騎士で、十二騎士候補生だ。
黒髪で金の瞳、童顔なため年下に見える時もあるが、アクセルと同年代。
ネーベルの騎士は黒を基準とした服装だが、ムーンパレスでは白を基準とした服装だ。
そして、十二騎士となる者たちは青を基準とした服装となる。

ウェイン「もう少し早めに戻るつもりだったんですが、カーティス殿に巻き込まれまして……。つかぬ事をお聞きしますが、アクセルと何かありましたか？」

A「……なぜです？」

ウェイン「いえ、アクセルとカーティス殿が言い争っていた時に、A様の名前を言っていたことが気になっただけです。それに、仲裁にトールギス様が入っていたので、大事にはなりませんでした」

A「私が少し、アクセルに当たってしまっただけです。もう少し頭が冷えたら、話に行こうと思っています」

ウェイン「そうですか。でも、出来るだけ早めにお願いします。あいつ、結構ショックを受けてたみたいですから」

A「ふふっ……。ウェインはよく見ているのですね。やっぱり、フィリーと一緒にいるからかしら」

ウェインは頭を振りかぶったが、私にはそうは思わなかった。