拾参話 ページ15
日が暮れて
辺りは真っ暗となった
結が屋敷に来ない
そんなことなど今まで無かった
一日に一回は俺の屋敷に来ては
飯を作ったりしていた
だが、今日は人が近づく気配すらない
なんだ、なにかあったのか？
結のことだ。必ず俺の屋敷には足を運ぶ
来ないということなどないに決まっている
俺は、いつものように
床に座り、坐禅を組んでは
結の帰りを待つ
しかし、ずっと待っているが
人の気配もなく
ただ風で揺れる葉の音が響くだけであった
…遅い。我慢ならん
村に降りるしかないな
俺は、ゆっくりと立ち上がり森を下っていく
すると、どこからか泣き声のようなものが聞こえる
俺は、その方角へと足を運ぶ
宿｢何をしている｣
そこには、木の影で
蹲って泣いている結がいた
結は、俺を見てはすぐに抱きつく
宿｢なんだ。今更迷子か？｣
貴｢…違います｣
宿｢なら、なんだ｣
迷子ではないことは確実に分かっている
村から俺の屋敷は
真っ直ぐ進んだ場所だと誰もが分かる
迷う要素など方向音痴以外ない
貴｢きゃっ！？｣
俺は、黙って泣いている結に
我慢できなくなり
肩に担いでは、屋敷の方へと向かう
貴｢す、宿儺様！？
ひ、と、一人で歩けますから｣
宿｢黙って担がれてろ｣
じたばた、と動く結に
俺は、そう言うと
結の動きは静かになっていく
そうしている間に屋敷につき
結を落ち着かせるように
俺は、結を自分の腕の中でおさめる
宿｢何があった｣
貴｢いえ、なんでもないです｣
俺は、俯く結の顔を
無理やりにあげ、結の涙を親指で拭う
宿｢言え｣
結は、俺の表情に驚いたのか
口を結んでは、ゆっくりと開く
貴｢宿儺様を化け物って言われるのが悔しくて…｣
宿｢…それだけか？｣
貴｢それだけか、じゃないですよ！｣
結は、さっきとは裏腹に
大声を上げては
目から大粒の涙を零す
貴｢勝手に自分と違うからっていう考えで
化け物だと捉えては、酷いことばっかり言う
もちろん、宿儺様も人を食べてました
でも、それは、与えられた環境の中
食べていけるのがそれしか分からなかっただけ…
ただ、それだけなんですよ…それなのに…｣
結は、悔しそうに泣いては
俺の顔をじっ、と見つめて
俺の頬に手を添える
貴｢宿儺様は、優しい人です
化け物なんかじゃないですよ｣
俺は、自分の顔を隠すかのように
結の肩に顔を疼くめる
結は、優しく俺の背中を撫でる
あぁ、人とは…こんなにも
…温かいものなのか
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絵理 - 呪術廻戦アニメ最新話で宿儺の声にあてられて宿儺の夢小説を探していたところSiriusさんの小説がまさに私の求めていたものドンピシャで真夜中に前作から号泣しながら一気読みさせていただきました...！本当に完結してくれてありがとうございます。感動をありがとう...。 (11月19日 17時) (
レス) @page29 id: d1f5f5edc8 (このIDを非表示/違反報告)
Sirius(プロフ) - 宿儺P愛してるさん» 宿儺P愛してるさん。コメントありがとうございます！やっと完結することができました！純愛いいですよね…。めちゃくちゃ褒めてくださるじゃないですか！本当に嬉しいです！また次回作の方でもよろしくお願いします！改めてありがとうございました！ (2022年9月4日 13時) (レス) id: baf8d2c44e (このIDを非表示/違反報告)
宿儺P愛してる - 完結おめでとうございます。そして初コメさせてもらいます。ずっと更新されるのを楽しみにしていました。文才力などすごく読みやすく作者様の描く宿儺様は純愛すぎて好みです。前作の方もぜひ読ませていただきたいなと思います。これからも楽しみにしてます。 (2022年9月3日 18時) (レス) @page29 id: fb5e3d0906 (このIDを非表示/違反報告)
Sirius(プロフ) - シロツメココロさん» シロツメココロさん！コメントありがとうございます😭繰り返して読んでくださってたのですか！？めちゃくちゃ嬉しいです！！花嫁シリーズ終わってしまいましたがこれからも色々更新致しますのでその時はまたよろしくお願いします！私も作品の更新楽しみに待ってます！ (2022年9月3日 13時) (レス) id: baf8d2c44e (このIDを非表示/違反報告)
Sirius(プロフ) - 青峰君は最強ですさん» 青峰君は最強ですさん！コメントありがとうございます！もう、最後の最後がバットエンドなのでどう書けばいいのか分からなくて迷った挙句これになりました！ほんと、青峰君は最強ですさんは、私と気が合うと言いますか嬉しいです！次回作も楽しみにしててください！ (2022年9月3日 13時) (レス) id: baf8d2c44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sirius | 作成日時：2021年5月22日 12時
